「不本意でも何でもない」…起爆剤となった“ジョーカー”FW上田綺世
ゲキサカ / 2019年3月23日 3時19分
[3.22 AFC U-23選手権予選(東京五輪一次予選)第1節 日本8-0マカオ]
苦しむチームを救った――。格下のマカオ相手に0-0で前半を折り返したU-22日本代表。しかし、後半あたまからピッチに送り込まれたFW上田綺世(法政大)がハットトリックを演じるなど起爆剤となり、終わってみれば8-0の大勝で白星スタートを切った。
チャンスらしいチャンスを作れなかった前半をベンチから見守っていた上田は、「相手も体を張ってきていた。けど、逆に僕としてはモチベーション高く入れた。(マカオとの)力の差はあったかもしれないけど、決め切れないという部分では力の見せどころだった」とゴールへの強い意欲を持ってピッチへと向かう。そして、横内昭展監督からも「守備をしっかりとやり、2トップの関係を作りながら結果を残すことをしてくれ」との指示を受けていた。
後半からシステムを変更し、2トップを採用することで前線のターゲットが増えた。相棒のFW前田大然が中央にとどまらずに前後左右に動き回ることで相手の注意は分散され、次第にスペースが生まれてくる。そして後半6分にDF町田浩樹(鹿島)の得点で先制すると、同9分には右サイドを抜群のスピードで駆け抜けた前田の折り返しをゴール前の上田が蹴り込んでリードを広げた。
「1点目は大然くんが10割と言っていいくらいだし、2点目も本当にボールが良かっただけ」と仲間への感謝を示したが、自身2点目のプレーは強さとうまさ、そして得点への執念を示すものとなった。
後半15分、中盤からMF三好康児が送った浮き球のパスにPA内で反応。「前を向こうと思ったけど、相手が絞ってきているのが分かったので、手前に落としながら体を倒して打つというのは、自分の選択肢の中に置いておいた」。その言葉どおり、胸トラップでボールを落ち着けると、後方の相手に体を預けて最後は倒れ込みながらも右足ボレーで合わせてネットを揺らした。
「いろいろな選択肢がある中で自分の中でゴールを導けたのは成長を感じるし、自信にもなる」
さらに後半25分には三好のスルーパスをPA内で受けると、シュートフェイントで相手DFの態勢を崩し、「GKのタイミングを少しズラして打った」という技ありのゴールを奪ってハットトリックを達成。「もっとスパッと蹴れたら良かったかもしれないけど、入ったんで何でもいいです」とストライカーらしい言葉を残し、3得点という結果にも「仕事をしただけ」と浮かれることはなかった。
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