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【令和を迎えて】デフフットサル女子日本代表・鳥海玲奈「後ろ向きだったフットサルに目覚めた理由」

ゲキサカ / 2019年5月6日 10時0分

2月のアジア予選に出場した鳥海玲奈

 令和時代がはじまり、新時代をリードする期待の若手選手を7人紹介する連載の第6回目は、11月にスイスで行われるデフフットサルワールドカップ(W杯)でチームの得点源として期待される21歳の女子日本代表・鳥海玲奈だ。

 2月にタイで行われたW杯予選で4試合すべてに先発した鳥海は、通算10ゴール。2戦目のネパール戦では一人で7得点をあげ、ゴールセンスを示した。現在、愛知県内でW杯に備えた合宿に参加している。

「(2月は)初めての国際大会に出たんですが、日本は一番になって当たり前、という感じでした。勝った、という言葉は世界一になってからですね」

 鳥海は、小学校4年生から兄と姉2人を追うようにサッカーをはじめた。1番目の姉である麻衣さんは元サッカー選手で、2番目の由佳さんも、昨年まで強豪の日テレ・ベレーザでプレーし、ユース年代で日本代表にも選ばれた。今もFC十文字VENTUSでプレーする現役選手だ。サッカー一家に生まれた玲奈の得点感覚は、現在の日本代表選手の中でもずば抜けている。2年前、そのセンスを見抜いた女子日本代表の山本典城監督が合宿に初めて招集。貴重な戦力になると踏んでいた山本監督の思いと裏腹に、鳥海の気持ちは後ろ向きだった。

「サッカーと動き方が違うので全然わからなかった。やめたくなりました。当時、監督にも『できません』とお話したと思います」

 戸惑う鳥海に手を差し伸べてくれたのは、ライバルとなるはずの他の日本代表選手たちだった。

「『時間はかかるけど、経験を積んでいけば身につくから』と言われて、『できなくてもやってみよう』と思うきっかけになりました」

 その直後に参加した2017年4月の中国遠征でロシア代表と対戦し、0-3で敗れた。その遠征中に対戦したタイや中国には快勝。唯一の黒星だった。鳥海に秘めた負けん気が、フットサルへの思いを180度変えた。

「ロシアは欧州の中でも強いんですけど、勝てなくて……。いい場面で(ゴールを)外してしまったりしたことが多くて、そこでもう1回、リベンジしたいと思いました。この遠征で(山本)監督も動き方をいろいろアドバイスしてくれました」

 健常者の姉2人と違い、生まれた直後から難聴だった鳥海は、人知れず苦悩も味わってきた。小学校では続いたサッカーも、中学生になると人間関係がうまくいかず、一度サッカーをやめた。それでもボールを蹴りたい思いは変わらず、文京学院女子高校に進学し、仲間に恵まれた。

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