「アンプティサッカーをはじめる!」。19歳のがん患者につながった「遺志」(上)
ゲキサカ / 2019年5月21日 1時25分
下肢や上肢の切断障がいの人がプレーするアンプティサッカーの「第6回レオピン杯」が18、19日に大阪・鶴見緑地公園サッカー場で開かれる。障がい者サッカーの7競技団体の中で今年度最初の全国大会となるが、近い将来、アンプティサッカーをはじめることを治療に励みにしているがん患者がいる。この春から埼玉・所沢にある国立リハビリテーション学院義肢装具士養成校に通う鈴木夏弥君だ。
鈴木君がアンプティサッカーに触れたのは3月10日、東京・調布で開催された東日本リーグ最終節後に行われたエキシビションマッチだった。ここではじめてクラッチ(杖)を使い、ボールを蹴った。ゴールに向かってシュート練習もした。
「学校も決まって、いよいよ上京に備えて動き出そうというときにコウ君のご両親からたまたま連絡をいただいて、『(アンプティサッカーの)試合があるから見に行かないか』と誘っていただいたことが、試合に出られたきっかけです。やっぱりシュートはいいですね。他の選手の方が片杖でボレーシュートを打つ姿も見て、やってみたくなりました。アンプティサッカー専用の杖があるんですが、あれが一番動きやすくて、そのうち買いたいなと思っています」
鈴木君が明かした「コウ君」とは杉浦行君(以下、コウ君)。鈴木君が、筋肉や関節などに発生した悪性腫瘍、軟部肉腫の治療で東京・築地の国立がん研究センター中央病院に入院していたとき、コウ君も骨肉腫と戦った「戦友」だった。地元・新潟県で剣道を9年間続け、サッカーは未経験だった鈴木君が「ボールを蹴りたい」と思うようになったのは、コウ君との出会い抜きには語れない。
鈴木君は高校2年だった2016年、お尻に腫瘍が見つかり、左足にずっと痛みを感じていた。2017年7月に退院したものの、2018年4月に今度は左足の内ももに転移し、足を切断することを余儀なくされた。その頃、コウ君と顔を合わせた。
2人の距離が一気に縮まったのは昨年7月、鈴木君が足を切断する手術を受ける日の前夜だった。鈴木君やコウ君のほか、病室の4人はすべて同じ高校生だった。スマホにドラゴンボールのアプリを落とし、みんなでお菓子をつまみながらゲームに講じた。鈴木君が振り返る。
「事故などどは違い(手術の)1か月前から足を切ることが決まっていました。その1か月間は母とテニスをしたり、とにかく運動をしまくりました。そうやって迎えた前日で、『いよいよ明日か』というより『楽しく遊んでやろう』という気持ちでした」
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
肺がんⅣ期、術後2年で胸膜に影 担当医からタグリッソ服用を示唆されたが… がん電話相談から
産経ニュース / 2024年9月10日 9時0分
-
堰を切ったように大量の血尿が…漢 a.k.a.GAMIさん膀胱がんを語る
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月2日 9時26分
-
脂肪細胞の発達により乳がんの浸潤・転移が促進されることを解明
Digital PR Platform / 2024年8月27日 11時42分
-
「余命半年だったけれど、2年も生きている」腫瘍内科医が語る、医師宣告の余命宣告が当たる驚愕の確率
プレジデントオンライン / 2024年8月26日 10時15分
-
バリウムが原因で腸が破れた…胃がん検診の翌日に「緊急手術で人工肛門」となった61歳男性の怒りと後悔【2024上半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2024年8月24日 8時15分
ランキング
-
1大谷翔平、ついに到達した「8.0」 DH最高&歴史的MVPまた前進…更新し続ける衝撃数値
Full-Count / 2024年9月22日 7時19分
-
2大谷の大活躍の根底には西海岸の風土《イライラしているヤツなんてひとりもいない》
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月22日 7時47分
-
3文科省の愚策「無免許オリンピアン教員」に現場憤慨!《講演会とはワケが違う》と識者も痛烈批判
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月22日 7時47分
-
4《女子バスケで内紛勃発》日本代表の馬瓜エブリンがブチギレ糾弾!話題の東野技術委員長の正体と評判
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月22日 7時47分
-
5大谷翔平、九回に二盗「52本塁打・53盗塁」に…3打数1安打2四死球
読売新聞 / 2024年9月22日 13時23分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください