1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

「せがれの刺激になったかな」。アンプティサッカーで全国3連覇の立役者、新井誠治の生きがい

ゲキサカ / 2019年5月20日 18時20分

決勝ゴールの瞬間、喜びを爆発させるFCアウボラーダ・新井(右から2人目)

[5.19 レオピン杯決勝 FCアウボラーダ 1-0 関西SeteEstrelas]

 下肢や上肢に切断障がいを持つ人がプレーするアンプティサッカー全国大会「第6回レオピン杯 コパ・アンプティ」が19日まで2日間、大阪・鶴見緑地球技場で行われ、決勝はFCアウボラーダ-が地元の関西SeteEstrelasを1-0で下して3連覇を飾った。後半アディショナルタイムに決勝ゴールを決めた49歳の新井誠治がチームの優勝と大会MVPの”2冠”に輝いた。

 0-0のまま迎えた後半アディショナルタイム。FCアウボラーダの3連覇への執念は新井の頭のてっぺんまで貫かれた。左サイドのキックインからエース、エンヒッキ松茂良ジアスが蹴ったボールは一度相手に奪われ、すぐに逆襲を食らった。今大会7ゴールを決めていた関西SeteEstrelasの15歳、近藤碧(あお)がドリブルで仕掛けてきたところを日本代表の遠藤好彦が粘り強く止め、逆に近藤のファウルを誘ってFKを得た。

 再びエンヒッキが蹴ったボールに対し、ゴール前にいた新井が反応する。止めに来た2人のディフェンダーから一瞬だけ抜け出し、頭をボールにかすらせ、ネットを揺らした。待望の決勝ゴール。49歳のヒーローは抱きついてきたエンヒッキを受け止めながら、大会を通して無失点の守備を支えてきた高橋良和の肩をそっと叩いた。

「いやあ、髪の毛が生えていたら、(ゴールの枠から)逸れていたかな(笑)。僕が触らなくても入ったと思います。僕は足元の技術がなくて、でも学生時代は柔道をやっていたので体幹の強さには自信があって、(エン)ヒッキや海人(秋葉)がシュートを打つときにいつも相手の『壁』になって、(シュートを打つ)スペースを作ろうと意識しているだけなんです」

 スキンヘッドをなでながら喜びを語った新井は、勝つことへの執念を別のプレーでも体現していた。ゴールが生まれる直前の後半23分すぎには、15歳の近藤とピッチ中央付近でマッチアップ。右に左に2度揺さぶられ、抜かれそうになりながら、それでも絶対に前には行かせなかった。たまらず近藤がわずかにボールコントロールを乱したところを奪い、マイボールにした。

「あの場面、心の中で『じいちゃん、何やっているんだ』と思っていましたよ。自分のせがれより年下の子に振り回されてね。せがれは高校3年生で今、ウェイトリフティングをやっていて、全国トップを目指せるようなところで頑張っています。今日のゴールで、せがれにもいい刺激になるかな」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください