圧巻の入り見せた青森山田が「怒涛」の4分間で2ゴール!甘さ出るも、冬夏全国連覇へまず青森突破
ゲキサカ / 2019年6月3日 21時37分
一方の青森山田は2点をリードしていることで安心してしまった部分もあったか、攻撃の勢い、DF背後のスペースを突く動きが減少し、狭い局面で勝負してボールを奪わるシーンが続いてしまっていた。
青森山田の黒田剛監督は「自分たちが攻めなければ、相手に攻められてしまう。表裏一体のサッカーをしているのだから」と苦言。後半もなかなか攻撃のテンポが上がらない青森山田は、相手に合わせたようなサッカーになってしまっていた。
対する八戸学院野辺地西は対青森山田対策として取り組んできた空中戦でも健闘。相手の右SB内田陽介(2年)のロングスローを跳ね返すなど2点差を維持する。そして、昨年度の選手権予選で青森山田からゴールを決めているMF工藤拓人(3年)のFKや突破、またMF佐々木大羅(3年)のサイドチェンジなどからまず1点を取り返そうとする。
それでも、青森山田は黒田監督が「落ち着いてやっていた」と高く評した藤原が工藤の突破を1度、2度と阻止。また、終始安定していたGK佐藤中心に無失点で試合を進める。一方で後半18分に後藤のスルーパスから武田がゴールネットを揺らしたが、オフサイドの判定となるなど最後まで追加点を奪えず。ほぼ危なげなく20連覇を果たしたが、レフリングに苦しむなど不満の残る勝利だった。
黒田監督は試合後、「こういう試合をやること自体、強さがない証拠」と一刀両断。明らかに甘さのあった守備や判断悪く相手を楽にしてしまっていた攻撃、メンタル面など課題を挙げ、ロッカールームで選手たちに厳しく指摘していた。
武田は「県大会は結構雰囲気も難しい感じで周りのざわつきだったり、そこでの落ち着きとかチームとして落ちていったというのはあったと思います」と反省。そして、プレミアリーグ4試合を挟んで迎えるインターハイへ向けて「青森県ということで暑さにあまり強くない。去年は、(全国大会で)2点獲ってから4点返されて落ちてしまった。今年(の開催地)は沖縄ということでもっと暑くなると思うんですけれども、そこは全国までにしっかりと意識してチームで共有してやっていきたいです」と引き締めた。
今年の目標はインターハイ、プレミアリーグ、選手権の「三冠」。武田は「インターハイは一個目のタイトルになるのでしっかりとやっていきたい」。青森県内、全国のライバルたちからターゲットにされている王者は改善すべきところを見つめ直し、プレミアリーグ、インターハイへと向かう。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2019
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