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新システム、VARによるゴール取り消しも経験。U-17日本代表は世界で舞うために「一日一分を大事に」

ゲキサカ / 2019年7月16日 14時22分

 それでも鈴木が「ミーティングで凄く言っているし、ラインコントロールが上手く出来ているので、CBだけじゃなくてSB、ボランチも全員で押し上げができているからコンパクトになっている」というように、日本は得点を許さずに前半を終える。

 そして、野澤、鈴木、相良、杉浦に代えてGKヒル袈依廉(鹿児島城西高)、CB半田陸(山形ユース)、MF中野桂太(京都U-18)、FW唐山翔自(G大阪ユース)を投入した後半にギアチェンジ。前半のシュート2本から森山佳郎監督が「上手く立て直してくれた」と語った後半は攻撃のテンポが上がり、シュート数を10本にまで伸ばした。

 12分に中野桂のスルーパスから唐山が抜け出したほか、三戸や中野桂が決定機を迎えたが、新潟GK土山龍都(新潟U-18)がいずれもファインセーブ。だが、圧倒的にボールを握って攻める日本は22分に横川に代えてMF田中聡(湘南U-18)を投入した後も、サイドで相手の背後を取るなどチャンスに結びつける。

 そして36分、日本は右中間でインターセプトした藤田がそのまま持ち上がって中央の中野桂へボールをつける。中野桂が絶妙なファーストタッチから左足シュートをゴール右隅に決めて待望の先制点。その後、下川、三戸に代えてFW武内翠寿(名古屋U-18)、MF中野瑠馬(京都U-18)を相次いで投入した日本は、アディショナルタイムにもゴールネットを揺らす。

 左SBへ移った藤田が唐山とのワンツーでGKと1対1に。このシュートはGKに阻まれたが、こぼれ球を武内がゴールへ押し込んだ。武内の得点としてアナウンスもされたが、VAR判定で取り消しに。だが、日本が気落ちすることは無かった。「きょうは(VARで)止まった時に声かけてプレーすることができた」と鈴木が語っていたように、VAR判定での中断中も集中を切らさなかった日本が1-0で最終戦を白星で飾った。

 特に前半は、挑戦者として“格上”のU-17日本代表に立ち向かってくる新潟選抜に苦戦した。成岡は「試合前から、(森山)監督に『こういう試合が一番難しい』と言われていて、自分たちも意識して臨んだんですけど、最初はなかなか上手くできなくて、逆に相手の勢いに飲まれてしまった部分がありました。それで、ハーフタイムに(監督から)『面白くない。もっとやれ』と言われて、そこから自分たちのサッカーができたと思います」。ゴール前の質の課題は残ったものの、後半は内容が向上。後半はU-17ワールドカップへ向けて新たなシステムにチャレンジし、本番を前にVARも経験できたことも含めて前向きな試合だった。

 U-17ワールドカップまであと3か月半。森山監督は「それぞれ課題はありますが、3か月しか無いのか、あるのかは一日一分を大事にしていれば3か月あるんでしょうし、『ボーッとしているんじゃねーよ』って過ごしていたら、あっという間に何も出来なかった3か月間になってしまう」。ゴール前での質を欠いた攻撃面だけでなく、手応えを感じつつある守備面でも向上の余地はまだまだある。

 今大会、日本はメキシコに逆転負けを喫したが、ワールドカップで対戦するオランダ、アメリカ、セネガルはそれ以上と想定している相手だ。指揮官はトーナメントまで勝ち抜くためにメンバーを入れ替えながら戦うプランを持っており、それを実行するためには個々のレベルアップ、層の厚みを増す必要性がある。02年生まれ以降の候補選手たちは、一日一分を大事に3か月間を過ごして、必ず世界で舞う。

(取材・文 吉田太郎)

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