仲川が触れなくてもオフサイド? 誤審ゴール騒動、もう一つの“論点”
ゲキサカ / 2019年7月19日 12時19分
J1第19節の横浜F・マリノス対浦和レッズ戦では、ゴール判定を巡る誤審が大きな話題を呼んだが、実はもう一つ明らかにしておくべき論点がある。もし審判団が誤認していたとおりにFW仲川輝人がボールに触れず、MF宇賀神友弥に当たってゴールに入っていた場合、オフサイドが認められるべきだったかどうかだ。
■“誤審ゴール”の経緯
問題の得点は後半14分、横浜FMのFW遠藤渓太が左サイドからシュートを放ち、ゴール前に走り込んだ仲川の身体にボールが当たったことで生まれた。仲川はオフサイドポジションにいたため、本来であればゴールは認められるべきでなかったが、審判団はマークについていた宇賀神に当たったと誤認。その結果、横浜FMに得点を与えた。
これが単なる誤審にとどまらず、議論がさらに過熱した理由は、そこから判定が二転三転したせいだった。一時は認められたゴールが取り消され、その後に再びゴール判定に覆るという異例の経緯をたどったことで、試合後には選手・スタッフをはじめ、ファン・サポーターからも疑念の声が上がった。
もっとも、この問題の原因はすでに判明している。「オウンゴールではなく仲川のゴール」という運営側の情報が副審と第4審に口頭で伝わり、それをもって主審はいったんオフサイド判定を支持。しかし、ルール上は審判団以外からの情報を判定の参考にすることは許されず、誤審だと分かっていても当初の判定を保つしかなかったという顛末だ。
■もう一つの疑問が…
ただ、ここでもう一つの疑問が浮かび上がる。もし審判団が勘違いで結論づけた「宇賀神に当たった」ことで得点が生まれていたとしても、仲川のオフサイドは成立していたのではないかという可能性だ。この点については、上記の経緯が明かされた『DAZN』の検証番組『Jリーグジャッジリプレイ』でも十分に触れられていなかった。
番組に出演した日本サッカー協会(JFA)審判委員会トップレフェリーグループの上川徹シニアマネジャーは18日、報道陣向け説明会の場に登壇。そこで「状況を見る限り、オフサイドではない」という見解を語った。現在の競技規則を参照すれば、そう判断するに至った裏付けが見えてくる。
■オフサイドのルール
競技規則によれば、味方がボールを触った瞬間にオフサイドポジションにいた選手が「ボールをプレーする、または、触れることによってプレーを妨害する」場合、または「相手競技者を妨害する」場合にオフサイドになる。前者は「ボールに触ったかどうか」という分かりやすい基準のため、ややこしいのは後者のケースだ。
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