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全国初出場の秋田U-18、熊林監督と進む道…DF高橋聖和「指導を受けられて幸せ」

ゲキサカ / 2019年7月23日 19時32分

 そうした日々の取り組みは思わぬ「良かった」も生んでいた。全国大会が行われる群馬は自身が現役時代に最も長い期間を過ごした場所。「選手時代も一番長かったので、正直この地に来れたことは嬉しいです。実際、ユースの監督になった時にも全国大会はここだったので」と特別な思いは隠さない。

 しかし「だからこそ、自分が目立たないようにしよう」という思いがあるという。「だから『選手が考えるサッカーをやってきて良かったな』と。思い入れのある地だからこそ、自分が目立たなくて良かった」。あくまでも選手目線。この短い言葉だけでも、熊林監督の選手との向き合い方が垣間見える。

 普段は県リーグで戦う秋田U-18にとって、全国大会は日頃の成果を発揮する場であると同時に、普段は経験できない相手と戦う貴重な場となる。副主将のDF高橋聖和(3年)は「東北とか秋田県内だとこのレベルはなかなかいない。こういう相手とできるクラブユースの全国大会は自分たちにとってとても貴重な経験」と目を輝かせていた。

 たとえばセンターバックを務める高橋にとって、初戦で対戦した三菱養和のFW栗原イブラヒムジュニア、第2節で対戦したJFAアカデミー福島のFW植中朝日のような世代別代表選手と対戦できる機会はなかなかない。失点シーンでは「やっぱりこれが代表か」という悔しさも経験しつつ、群馬の地で貴重な時間を過ごしているようだ。

 そんな高橋は熊林監督を「今まで指導を受けてきた指導者の中で、全然いなかったタイプ」と表現。「自分の気付かなかったことや、親吾さんの選手経験を自分たちに落とし込んでくれているというのが他の指導者とは大きな違い」。そうした対話を通じて築いた信頼は「あの人に指導を受けられて、自分たちは幸せだと思う」という言葉からも伝わってくる。
キャプテンマークを巻いてピッチに立ったDF高橋聖和副主将(3年)
 そんな熊林監督の就任から2年半、一学年2〜3人にとどまることも珍しくなかった秋田U-18にようやく安定的に選手が集まるようになり、「やっとゼロからイチ」(熊林監督)のフェーズに到達した。アピールポイントは「トップチーム」の存在。Jクラブとのトレーニングマッチ、Jクラブへの練習参加ができる機会は高体連の強豪でも得られないものだ。

 また何より大切なのは日々のトレーニングだろう。「チーム同士のトレーニングを、まずは東北で一番の厳しさ、激しさでやろうと。他から見てどうかはわからないけど、まずは『自分たちで東北で一番やっている』というところに自信、課題が出るので、選手でもチームでもそれが大事だと伝えています」。

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