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西京の番狂わせと快進撃支える小さなGK恒富の大きな存在感

ゲキサカ / 2019年7月27日 21時17分

PK戦勝利を喜ぶ西京高GK恒富優貴人。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.27 総体2回戦 日章学園高 1-1(PK4-5)西京高 西原町陸]

 西京高(山口)が強豪・日章学園高(宮崎)との2回戦を突破し、ベスト16入りを決めた。西京は後半19分に相手の先制を許したものの、後半アディショナルタイムの70+4分に原田廉(3年)が同点弾。直後のPK戦も5-4で制している。

「キーパーのお兄ちゃん、かっこよかったよー」

 クールダウン中の選手に向けて、スタンドからあどけない声が聞こえてきた。小学校低学年くらいの少女から、この試合のヒーローに向けられたエールである。GK恒富優貴人(3年)のプレーには、それくらいのインパクトがあった。

 ただし、西京がこの試合で向き合った日章学園は「格上」といって差し支えのない強豪。田邊宏司監督もこう口にする。

「日章学園はウチが目指していることを、一歩二歩先にやっているチーム。できるだけ吸収して帰ろう、見本を間近で見てやろうと試合に入りました」

 日章学園の攻撃の中心となるFW鈴木陽介(3年)をまず封じようというDF陣の狙いも、立ち上がりからなかなか思い通りに行かなかった。原田廉はこう振り返る。
「自分たちの思うように行かなかったです。でも前半の危ないシーンで、恒富がファインセーブを連発してくれた。キーパーが頑張っているからやらないと……という気持ちになりました」

 西京が喫したシュートは14本で、そのうち7、8本は1点ものの決定機だった。恒富はそれを最小失点で凌いでみせた。

 しかし、守護神の身長は168cm。全国大会に出てくる強豪チームとしては異例のサイズだ。跳躍力や瞬発力も本人が「一般人」と評するレベルで、身体能力が必ずしも恵まれているわけではない。

「もう少し身長があれば」というのは恒富のプレーを見た人が持つ率直な感想だろう。「180cmのGKが羨ましくない?」と記者が少し無神経な質問をぶつけると彼は素直にうなずき、こう返してきた。

「『うわぁデカい。羨ましい』という気持ちはめちゃくちゃあります」

 ただ、他のGKが持っていない強みを、この男は持っている。田邊監督にその起用理由を尋ねると、こんな答えが帰ってきた。

「ゲームセンスがありますね。反応がいいし、落ち着いている。自分を乱すことが全くなくて、ずっと冷静です。(コーチングは)結構きついことを言っていますけれど、でもいいことを言っている」

 本人もコーチングの「キツさ」は敢えて意識しているようだ。168cmの守護神は言い切る。

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