デフサッカー日本代表・植松監督が「あすチャレ!Academy」の講師に就任
ゲキサカ / 2019年8月20日 11時28分
11月にデフリンピックのアジア予選を控えるデフサッカー日本代表の植松隼人監督が日本財団パラリンピックサポートセンター(以下、パラサポ)が主催する「あすチャレ!Academy」の講師に就任した。「あすチャレ!Academy―」は障がい者の「リアル」を当事者講師から聞き、学び、一緒に考えるダイバーシティ研修プログラム。生まれつき感音性難聴の植松監督は、あすチャレ!Academyの新講師として、5月下旬から主に企業にて講師を務めてきたが、一般の方が申し込むことができる回の研修を今回より行うこととなった。植松監督が明かす。
「パラサポさんが持っている研修プログラムの基本の組み立てがあって、そこに僕のアイディアを反映させてもらっています。講師の中で聴覚障がいがある人がすでに一人いたようですが、パラスポーツに精通していることもあってパラサポの方から声をかけていただきました」
「あすチャレ!Academy」講師11人のうち、現役の日本代表監督は植松氏一人だけ。パラサポ日本財団関係者が、その場を楽しませるトーク力やコミュニケーション力を高く評価し、採用を決めた。
別のスタッフが視覚障がい者の誘導の仕方を説明
7月下旬、一般公開された2時間の研修プログラムには35人が参加した。「なぜパラリンピックと呼ばれるのか」といったパラリンピック・パラスポーツに関する基礎知識の講義から、受講者同士がお互い、耳が聞こえないことを想定してどうやってコミュニケーションを図るのかをトライしたり、視覚障がいがある人をどうやって椅子に導いてあげるのか、という実演指導も行われた。さらに「聴覚障がいのあるパートナーともし明日、初デートに行くとしたら、どこに連れていくか」といった問いを出し、各自考える時間もあった。
受講者からは「ずっとどう接したらいいか、声をかけていいのかタイミングなどわからずモヤモヤした気持ちがありましたが、その気持ちが壁を作っていたことに気づいた。やっと一歩すすんで声を掛けられそう」「知らないことで一方的に『これはできない』『あれはできない』と決めつけてしまっていたが、考えが変わった」とポジティブな内容が多かった。教壇に立った植松監督にはある思いがある。
「(障がい者の)当事者が身近にいることを意識できる社会、そういう前提で街が動いている、ということを意識できる社会になってほしい。健常者、障がい者関係なく、そこに常にアンテナを張ってほしいと思っています」
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