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デフサッカー日本代表・植松監督が「あすチャレ!Academy」の講師に就任

ゲキサカ / 2019年8月20日 11時28分

 植松監督には最近、特に健常者の当事者意識が足りていないのかな、と思った残念な体験があった。ある日、自転車でゆっくり走っているときに、背後から別の人が自転車でやってきた。背後の人は呼び鈴を鳴らしたようだが、植松監督は聞き取ることができない。でも、相手は「無視された」ととらえたのか、苛立ちをぶつけるように、植松監督の体に自転車をあてながら追い越していったという。

「倒れそうになりました。もし事故にあったらどうするんだ、という話です。特に最近、普通のおじさんの方がめちゃくちゃ冷たい。忙しいことはわかりますけど、もう少し気持ちに余裕を持ちたいですよね。今、世の中がどんどんスピード化されていく中で急ぐ習慣がついちゃったんでしょう。昔はそんなこと、なかったですから。逆に、もしいい行動をしてくれていたら、いい行動をしてもらった側もそのありがたみがわかる。自分勝手に、自分本位の行動で済ませずに、自分が気づけば、相手が見る自分に対する景色も変わる、ということを伝えたいんですよ」
受講者と一緒に簡単な手話講座
 植松監督によると「僕の偏見かもしれませんが、デフリンピック(聴覚障がい者によるオリンピック)が開催された国はとてもフレンドリーな気がします。たとえば、色々な国から耳が聞こえない人が1つの国に集まって大会を開くとなると、耳が聞こえる人と聞こえない人の対話が必然的に増え、音声に頼らなくてもコミュニケーションを図れるようにならないと、物事が前に進まない。健常者は、耳が聞こえない人とどうやって対話を図るかをずっと考えることによって、いたわりのような気持ちが芽生えてくると思います」

 日本でもデフリンピックの2025年開催を目指して水面下で動きはじめているが、ビッグイベントの開催を待つことなく、人々が意識を変えるきっかけを作りたい。11月にデフリンピックを目指す戦いを控えながら、植松監督はピッチ外でも戦い続ける。

(取材・文 林健太郎)
●デフ/障がい者サッカー特集ページ
●日本障がい者サッカー連盟(JIFF)のページはこちら

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