[Rookie League]決め切る・守り切る強さと選手層の厚さ示した前橋育英が堂々のA League制覇!
ゲキサカ / 2019年9月10日 10時29分
関東・静岡の強豪校の1年生たちが90分間ゲームのリーグ戦で力を磨く「Rookie League」A Leagueは前橋育英高(群馬)が制した。静岡学園高(静岡)を4-0、市立船橋高(千葉)を6-0で破るなど、前評判通りの強さを発揮した前橋育英は開幕7連勝で2試合を残して優勝決定。最終2試合こそ引き分けと敗戦に終わり、全勝Vを達成することはできなかったが、それでも9試合でリーグ最多の29得点、最少の7失点という堂々の内容・結果で頂点に立った。
前橋育英の指揮を執った白石敦志コーチは「データでは最多得点と最少失点。ゲームの中で決める力と勢いがあった。(まだまだ完璧ではないが、)最後に身体を張って失点しないというところもできていた」と分析する。試合の主導権を握ってコントロールするだけでなく、ゴール前で相手よりも一歩でも速く、一歩でも多く動いて決め切る、守り切る力を発揮。今大会、最も細部の力を表現していたのが前橋育英だった。
リーグ最少失点チームのDF・GKが獲得する優秀DF賞に選出されたGK渡部堅蔵は優勝の要因について、「選手の層も厚くて、勝負強かったです」と説明し、切れ味鋭いドリブルなどからゴールを連発して大会MVPと得点王の2冠に輝いたFW笠柳翼は「チームが一体となって声を出したり、走ったり、(Rookie Leagueは)みんなで勝とうと決めていたので、そこが勝ちきれた要因かなと思います」と笑顔を見せる。
個々の力が充実したことも間違いない。2冠の笠柳や守備範囲の広さと1対1の強さを示した渡部、鋭いカットインからチャンスに絡んだMF鈴木太智、得点ランキング上位に食い込んだFW守屋練太郎をはじめ、タレントが揃っていた印象だ。
7日の最終節は1年生ながらAチームのインターハイメンバーにも名を連ねていたFW本間士悠、1年生チームの堅守の中心だったDF桑子流空、DF岡本一真、DF和田桜輔、MF鈴木楽維夢、MF大竹駿が1年生チームから昇格し、前橋育英Bの群馬県1部リーグメンバー入りしたために不在。それでも、チャンスを掴もうとする選手たちがハイレベルな試合を演じるなど層の厚さも見せつけた。
12月21日からU-16日本一を懸けた全国ルーキーリーグ交流大会が行われる。関東王者の前橋育英は有力な優勝候補だが、Aチームが選手権で全国大会出場を決めていれば、開幕直前の時期。また、Aチームがプリンスリーグ関東からプレミアリーグ昇格を決めていれば、全国ルーキーリーグ開催時にBチームがプリンスリーグ関東参入戦を戦うことになる。
その中で、白石コーチは選手権やプリンスリーグ参入戦メンバーに多くの選手が加わると同時に、次に控える1年生たちの進化を期待する。「1人でも多く上に行って欲しい。そしてお互いが刺激を与え合って欲しい」。Rookie Leagueでの出場機会が少なかった選手でも力を持つ選手がまだまだいるだけに、全国ルーキーリーグ交流大会で新たな主役が出現する可能性も十分にある。
笠柳は「全国大会は優勝校や各リーグの強豪校が集まってくるので、その中でまた一からみんなで優勝を目指して頑張って行きたいです」。前橋育英がまだ勝ち取っていない全国ルーキーリーグ交流大会優勝を勝ち取るために、それぞれがさらなる成長を遂げて、来年以降にも繋げる。
(取材・文 吉田太郎)
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