駒大が“前線3人で攻撃が完結するサッカー”でインカレ決勝へ…栃木内定FW宮崎鴻「徹底すれば勝てない相手いない」
ゲキサカ / 2021年12月21日 20時43分
[12.18 インカレ準決勝 明治大0-3駒澤大 NACK5]
駒澤大は全日本大学サッカー選手権(インカレ)準決勝で明治大に3-0の快勝。自慢の前線3枚が相手の攻守を抑えつけ、3年ぶりの決勝進出を果たした。25日の決勝では阪南大と対戦する。
駒大伝統の走力によるカウンターサッカーが今大会で輝きを見せている。前線にはリーグ得点王FW土信田悠生(4年=高川学園高/熊本内定)とFW宮崎鴻(4年=前橋育英高/栃木内定)の“ツインタワー”、そして俊敏性が売りのFW荒木駿太(4年=長崎総科大附高/鳥栖内定)が並ぶ。土信田は準々決勝まで公式戦7試合連続得点を継続。この試合では、土信田が相手のマークを背負うと、宮崎と荒木が得点で結果を残した。
駒大は前半26分、相手の攻撃を封じ、一旦ボールを下げたところからGK松本瞬(4年=前橋育英高)がロングボールで一気にカウンター。最前線の宮崎、そして土信田が競り勝ち、頭でつないだボールは最前線へ。反応したのは荒木。飛び出した相手GKを見定め、ループシュートで先制ゴールを奪った。
前半32分にはDF桧山悠也(4年=市立船橋高)が追加点。点差を広げ、前半を2-0で折り返す。攻勢を強める明大に対し、駒大のロングボールからの反撃がさらに活きる形に。そして、後半34分にはダメ押しゴールが入る。
中盤へのロングボールを宮崎が競り合い、こぼれ球を荒木が拾う。パスを受けた左サイドの桧山が敵陣PA内にクロスを飛ばすと、PA右で土信田がヘディングで落とし、最後は宮崎が体勢を崩しながらゴールに流し込んだ。3点を稼いだ駒大はそのまま逃げ切り、3-0で勝利。2006年度以来のインカレ優勝に王手をかけた。
秋田浩一監督はDF猪俣主真(4年=三浦学苑高)を中心とした守備陣の向上、そして守備から前線3枚の攻撃が「いまは噛み合っているところ」と称える。荒木は前線3枚の躍動に「監督からよく言われているように、走って、セカンドボールを拾って、裏に走る。宮崎鴻と、土信田悠生の競った後に自分が行くのが自分の仕事」と役割を語った。
宮崎も決勝進出に手応えを口にする。「相手がどんなサッカーをしてこようと、自分たちのサッカーを貫いた結果。個人的にも、いままでゴールがなかったので、最後にしっかり得点を決められてよかったです」。熟成された前線3枚の攻撃力には「3人で攻撃が完結させられるというところが一番の魅力」と自信を垣間見せる。
「阪南大学さんは流経大に勝って実力がある。粘り強く戦えていて、かなり強敵だと思います。でも、自分たちの特長である、前に速くシンプルなサッカーを徹底してやれば、勝てない相手はいない。そこを徹底していきたいと思います」
宮崎にとっては高校、大学と最終学年で2度目の全国決勝だ。前橋育英高では、3年生だった2017年度に初の全国高校サッカー選手権制覇を経験。そして、大学でも再びファイナルに臨む。「ものすごくいい仲間に恵まれた。高校と大学と、自分は幸せものです。自分ひとりでここに来ることは絶対にできない。大学4年間で苦しいことを一緒に経験した、高校とはまた別の魅力ある大学の仲間たち。また最後までサッカーができるっていうのはうれしいです」。勢いはついた。頂点まで残り一試合、全力で走り切るのみだ。
(取材・文 石川祐介)●第70回全日本大学選手権(インカレ)特集
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