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新国立競技場での初勝利。関東一・小野貴裕監督が選手宣誓と聖地のピッチに得た感慨

ゲキサカ / 2021年12月28日 21時36分

新国立競技場で勝利を挙げた関東一高(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.28 選手権1回戦 関東一高 6-0 中津東高 国立]

 日本でサッカーに携わる者であれば、誰もがそのピッチでプレーすることを夢見てきた国立競技場。「できればピッチの中に入って、スパイクでも履きたかったなって思わされるような場所ですよね」とオンライン会見で笑った関東一高の小野貴裕監督は、改めてこの聖地に教え子たちと立った感慨をこう語っている。

「今実際インタビューを受けておりますが、ハッキリと処理はできていないというか、まだ浮わ付いた気持ちでいるので、このあとの帰り道でやっと自分で改めて国立の凄さを実感するんじゃないかなと思っています。凄く声がこもるというか、私自身の声が響いていたのも分かっていましたし、あとは静寂もいつも以上に静かに聞こえるというか、時が止まっているような感覚になりました」。

 今回で4回目の選手権出場となる関東一。過去にも2回の開幕戦を経験しているが、会場はいずれも駒沢陸上競技場。東京都予選の決勝で使用されていることと、当時は有観客下で行われていたこともあり、“ホーム感”の中で戦うことができた。

 だが、今回の開幕戦は初めての国立競技場でもあり、その舞台もリニューアルされた新たなグラウンド。いつも通りのメンタルで臨めというのも、なかなか難しい状況であることは指揮官も重々理解していた。ゆえに、“非日常”をあえて作り出す試みを大会前に施していたという。

「今日の国立競技場は普通の場所ではないので、その環境を考えて、いつも練習をやっている新砂運動場ではなくて、JFAのグラウンドを借りたり、東京の日大豊山高校のグラウンドを借りたりして、普通のグラウンドじゃない場所に慣れるという練習をしました」と明かしたのはキャプテンのDF池田健人(3年)。昨年度の選手権予選決勝では、全国を懸けて戦ったライバル校のグラウンドも借りながら、特別な開幕戦への準備を着々と整えていった。

 試合直前には、小野監督の心を揺さぶる出来事もあった。「我々の試合前に、1人で、この厳しい環境の中で戦ってくれた高川学園のキャプテンの選手宣誓を見て、本当に全国に出場するチームの代表として、1人で頑張って耐えてきてくれたんだなという姿に、試合前からグッと来ていました。あの選手宣誓を聞いて、自分の中で引き締まった想いが出たというか、自分の中でもモードが1つ入ったというか、戦う者として責任を持ってピッチに上がらなくてはいけないなというふうに思いました」。いろいろな周囲の要素を大きな力に変え、選手たちを国立のピッチへ送り出す。

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