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「先生と積み上げてきたもの」は変わらない。小嶺監督不在も自主性を発揮した長崎総科大附は逆転勝利で北海を撃破!

ゲキサカ / 2021年12月29日 22時10分

 ビハインドを負った長崎総科大附。この苦境を10番が救う。前半終了間際の40分。右サイドで獲得したCKをレフティのDF平山零音(1年)が丁寧に蹴り込むと、ファーで別府がヘディング。こぼれに再び反応した別府が右足ボレーで叩いたボールは、ゴールネットを力強く揺らす。「仲間が競ってくれたボールが自分のところにたまたま来て、もうあとは『決めるしかないな』と思って振り抜きました」という別府の同点弾。1-1で最初の40分間は終了した。

 後半の構図はハッキリしていた。押し込む長崎総科大附。耐える北海。11分は長崎総科大附。高良の左CKがクロスバーにヒット。13分も長崎総科大附。途中出場のFW筒口優春(2年)が投げた右ロングスローの流れから、原口がシュートを放つも北海のGK伊藤麗生(3年)がキャッチ。押し込まれる北海は14分に選手権予選直前の負傷離脱から帰ってきたエースのMF川崎啓史(3年)を投入し、反撃態勢を整える。

 25分も長崎総科大附。カウンターから筒口、MF竹田天馬(2年)と繋ぎ、走ったFW牧田陽太(3年)のシュートは、しかし伊藤がファインセーブ。37分も長崎総科大附。左から高良が蹴り込んだFKに、投入されたばかりのFW永田樹(3年)が完璧なヘディングで合わせるも、ボールはクロスバーにヒット。どうしても勝ち越しゴールを奪えない。

 主役をさらったのは意外な伏兵だった。38分。左CKを得た長崎総科大附。キッカーの高良が蹴ったキックは北海も掻き出したが、高良が左からクロスを入れ直すと、GKのパンチングがこぼれたところに4番のセンターバックがいち早く反応する。「コースが見えて、『あそこが空いているな』と思ったので、そこを狙って打ったらたまたま入った感じです」と振り返る原口のヘディングはゆっくりとゴール左スミヘ吸い込まれていく。

「時折は点を決めたりはしますけれども、そんなにたくさん点に絡むということは私もあまり見たことがないです」と定方コーチが話せば、「相当ゴールは決めていなかったです」と原口本人も驚くような、試合終盤に生まれた決勝点。「全員で勝ち獲れた試合だったと思います」と別府。最後まで全員が諦めない姿勢を貫いた長崎総科大附が粘り強く逆転勝利を収め、小嶺監督へ吉報を知らせる結果となった。

 前述したように、長崎総科大附はこの半世紀の高校サッカー界を中心で支えてきた小嶺監督不在の中での初戦に。「本当はこちらの方に来られる予定だったんですけど、ちょっとどうしても体調がということで、今日は来られておりません」(定方コーチ)「小嶺先生がいないのは自分たちも知らなかったです。何も言われていなくて、知ったのは今日のアップ前ぐらいですかね」(別府)。2人の話を聞いても、緊急事態だったことは間違いない。

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