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「本当にマジメにコツコツやってくれる」3年生が示した基準。北海は全国で勝てるチームへの進化を期す

ゲキサカ / 2021年12月29日 23時20分

先制点を喜ぶ北海高の選手たち。戦う気概は十分に見せた(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.29 選手権1回戦 北海高 1-2 長崎総合科学大附高 駒沢]

 押し込まれることは想定済み。予選からそういう展開の試合を我慢強く戦い、何度も勝利を手繰り寄せてきた。この日も終盤までは懸命に耐えてきたものの、最後は後半終盤のセットプレーで力尽きた。だが、チームを率いてきた島谷征勝監督は胸を張って、教え子たちの奮闘を称える。

「本当に北海道予選からしっかり我慢強くサッカーをしながらも、少ないチャンスをモノにしてここまで来たので、今日もプラン通りの最初の15分をしっかり戦ってくれて、先取点も獲れて、勝負の時間帯のところで失点してしまったのは残念ですけど、子供たちはこちらの指示も含めて、自分たちで決めたことをしっかりやってくれたので、本当に感謝しています」。

 黄色い一体感を纏い、タイムアップの瞬間まで諦めずに戦い抜いた北海高(北海道)の気概は、確かに駒沢のスタンドに詰め掛けた観衆の心へ届いたはずだ。

 立ち上がりは狙い通りだった。「最初の15分が長崎の方がかなり押し込むサッカーをやるので、そこに巻き込まれないようにしようとして、子供たちには『15分は逆に攻めよう』と話しました」(島谷監督)。

 前半2分にFW笹森洸成(3年)の仕掛けから、MF佐々木魁士(3年)がファーストシュート。7分にもMF西椋弥(3年)の右CKから、DF大友孝介(3年)がヘディングで相手ゴールを脅かす。以降はややペースを明け渡したものの、31分にはここも笹森が左サイドで見せたドリブル突破を起点に、西が先制ゴール。プランとしては完璧に近い形で1点をリードしてみせる。

 だが、結果的に奪われた2つのゴールは、いずれも前半終盤と後半終盤のセットプレーから。「セットプレーを与えないようにしようというのが今回の課題だったんですけど、前半の残り5分、後半の残り5分というサッカーの醍醐味の時間帯で、セットプレーから決められたということは力の差かなと思っています」と島谷監督が話せば、「セットプレーが大事だというのは前から言われていて、それでもセットプレーでやられてしまうというのは、自分たちの弱さも分かりましたし、全国レベルのセットプレーの強さを改めて感じた試合でした」とキャプテンのGK伊藤麗生(3年)。わずかではあったが、その差を痛感するような2失点で、勝利はその手の中からスルリと逃げて行った。

 チームで掲げていた目標がある。それは『啓史を全国に』。選手権予選を目前に控えたタイミングで、チームの精神的支柱を担っていたMF川崎啓史(3年)が左足首の骨折という重傷で戦線離脱。予選を突破して、全国の舞台でエースと一緒に再びサッカーがしたい。1つの大きな目標を抱いた選手たちは、粘り強く勝利を積み重ね、北海道制覇を達成。約束の舞台への挑戦権をもぎ取った。

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