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いわば想定外も、想定内。ボトムアップにとどまらないチームビルディングを重ねた堀越が2年連続で初戦突破!

ゲキサカ / 2021年12月30日 7時5分

 ただ、ここからは一気に動きの少ないゲームが展開されていく。「高知さんがボールを持っている時に我々が守備を整えていかないといけないなという準備を、とにかくこの1か月半してきたので、むしろ我々がボールを持つということをあまり想定していなかったですね」と佐藤監督も明かしたように、堀越は前方へと差し込むタイミングを窺いながらも、最終ラインを中心に後方でボールを持つ時間が長くなる。

 一方の高知は「ボールの奪いどころも考えてやっていたんですけど、なかなかファーストディフェンスが決まらないというところで、ちょっとボールが奪えなかったので、カウンターもなかなか発揮できなかったですね」と大坪監督。可変気味に3枚とGKで組み立てる堀越のビルドアップに対して、基本はサイドハーフをプレスに行かせる形へシフトしていたものの、左右に動かされる流れから、なかなか守備で勝負するポイントを見出せない。

 後半21分には堀越もMF日隠ナシュ大士(2年)が中央で2枚を剥がし、絶妙のスルーパス。抜け出したFW高谷遼太(1年)の決定的なシュートは、高知のGK大阪騎士(3年)のファインセーブに阻まれ、追加点とは行かず。高知も交代カードを次々と切っていくが、フィニッシュを取り切れない時間が続く。

 アディショナルタイムの2分が過ぎ去り、試合終了のホイッスルが駒沢のピッチに鳴り響く。公式記録を見ると、後半のシュートは両チームを通じても堀越に記録された1本のみ。「ウチは力があるチームではないので、もう失点することも想定内ですし、失点した後にどうするかということも想定内で、したたかにやらないといけない時間帯というのは必ずありますし、そういう意味で割り切ることをこの1年間は本当に多くの戦いの中で学んできたつもりではいるので、それを少しでも全国大会のこういう場でも我々が出せたということは大きいのかなと思います」とは佐藤監督。じっくりと時計の針を進めていった堀越が試合巧者ぶりを発揮して、粘り強く初戦の勝利を引き寄せた。

 堀越の選手たちは、この日もハーフタイムにロッカールームへ戻らず、ベンチで後半に向けての策を練っていた。「自分は常に最悪の想定をしようと思っていたので、0-0、もしくは最悪の場合は0-1、というのは常に想定しながらやっていた中で、最初に2点先制したのは、練習の形がそのまま出たと思っていて、それを出せるシーンまで持って行けたのは少し想定外ではありましたけど、2点獲れてから思うように行く試合というのも経験したことがあるので、それもしっかり頭に入れていました」とは宇田川瑛琉。ポジティブな“想定外”に、改めてチームは後半の戦い方を統一させる。

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