ユース選手への暴力「常態化」。「お前の顔は気持ち悪い」など数々の暴言も…鳥栖・金明輝前監督のパワハラ報告書
ゲキサカ / 2021年12月30日 16時27分
Jリーグは30日、サガン鳥栖の金明輝前監督のパワーハラスメント行為に関する報告書の要約を報道陣に公表した。サガン鳥栖U-18を率いていた時期から、ユース選手に対する暴力行為が「常態化」していたことも発覚した。
Jリーグは金前監督のパワーハラスメント行為の発覚後、弁護士4人で構成する調査チームを構成。クラブ関係者90人に対し、延べ100回の対面またはWEB形式によるヒアリングを実施してきた。その中で、トップチーム選手、ユース選手、スタッフに対する有形力の行使や暴言があったことが判明した。
報告書によると、トップチームでは8つの事案で有形力の行使があったと認定。「お前のパスはこうなんや」と言いながら選手にボールをぶつけたり、選手の前髪が長いことに立腹して前髪を握って平手打ちをしたり、トレーナーのケアを受けていた選手の頭を叩いて「ケアしてる場合ちゃうやろ」「お前が冷やす権利あんのか」と発するなどしていた。
またユースチームでは「トップチームにおけるよりも頻繁に暴力・暴言に及んでいた」と認定。関係者から「ユースの試合が終わった後、ミスが多かった時、詰め寄られて胸ぐらをつかまれた。怖かった」「(ユースの頃からずっと暴言や暴行があったため)たまに殴られたりしても、当たり前のことだと思っていた」「ユースの頃は、月1回程度は暴力を受けていた」「拳骨で叩かれた。たんこぶができたこともあった」「平手で叩かれることもあった」といった証言が得られており、「有形力の行使や暴言が常態化していたものと認められる」とされている。
加えて数々の暴言の詳細も明らかになった。トップチームでは主にユース出身や若手選手に対して「死ね」「殺すぞ」「消えろ」のほか、「お前の顔は気持ち悪い」「ハゲ」など容姿を中傷するものもあった。ユースチームでも「貴様、サッカー辞めろ」「死ね」「俺の前から消えろ」などトップチーム同様の発言があったという。
なお、金前監督は自身の行為の線引きについて「殴る蹴るはダメ。暴力はダメ。その一択でしたね」と述べつつ、有形力の行為は否定した模様。「ユースチームの監督時代に一度、選手の胸ぐらをつかんだ程度の記憶であり、トップチームの選手に対して手を出すようなことをした覚えはない、ただし、ハーフタイムの終わり間際に、選手の尻や背中を叩いて、もう1回行けよと送りだすことは度々やった記憶がある」という旨の供述をしたという。
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