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ユース選手への暴力「常態化」。「お前の顔は気持ち悪い」など数々の暴言も…鳥栖・金明輝前監督のパワハラ報告書

ゲキサカ / 2021年12月30日 16時27分

 また発言についても大半を否定したようだ。報告書では「一部については、冗談で発言したり、選手のプレー姿勢に問題がある場合に指導目的で発言した覚えがあると認めつつ、『消えろ』『お前の顔は気持ち悪い』『俺の前に二度と姿を見せるな』といった発言をした覚えはない旨述べている」と伝えられている。

 さらにスタッフに対する暴言・暴行も認定された。「見てるだけできしょい」「お前の無能のせいでみんなに迷惑がかかっている」と発されたスタッフは翌出勤日に出勤できず、別の日には「こいつに言いすぎると鬱って言われるからあまり言えない」「何もしていないやつに限って鬱とか言う。何もしていないのにできないとか言ってくる」などとメンタルの不調を揶揄したこともあったという。

 一方で、金前監督は「スタッフに対し、厳しい叱責に及んだことがあったこと、スタッフの胸ぐらをつかんだり、身体を押すことはあったことは認める一方で、スタッフを殴ったりした覚えはない旨述べている」と報告書。加えて「理由なくスタッフのことを頻繁に叱責したことはない、チームのためにできることは最大限やってほしいという姿勢で指導していたし、スタッフの能力にあわせてサポートもしていた、対象者に伝わっていたかどうかは分からないが、フォローは入れていた」などと述べているという。

 金前監督はパワハラ行為の発覚後、第三者委員会によるヒアリングが行われる際にチーム関係者に電話をし、自身に不利な発言をしないよう依頼。またヒアリング後には関係者に対し、自身の問題行為について話したとして非難するといった隠蔽行為を行っていたことも認定された。

 調査を行った弁護士によると、ヒアリングに応じた関係者は「多くが重い口を開いた」といい、進んで告発が行われたわけではなかったという。映像や録音など客観的な証拠が存在するものは少なかったが、複数の供述の一致や内容の具体性・明確性・迫真性、背景事情などを慎重に検討した上で事実が認定された。

 そのためチーム関係者からは「監督の話は、いつかは出るだろうなと思っていた。ちょっと遅いなと思うくらい」「理不尽がすごく多くて、ミーティングでつるし上げられている選手がいた」「何が正解かと、苦しかった。いいプレーをしても言われた。言われ過ぎて、良くわからなかった」などと厳しい声が上がった一方、「クラブが監督を裸の王様にしてしまった」「熱いところはいいところ。思いやりもある」「金監督は、監督としては、自分が指導を受けてきた中でも指折りに入るくらい優秀である。日本の中で先頭を走るべき監督だと思う。Jリーグの中で一番良い監督ではないか。ただ、今回の問題をこのままで終わらせることは、金監督にとってもよくないだろう」など庇う声も多く上がったという。

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