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キーポイントは「立ち上がりの15分」。前半15分に先制した青森山田が試合巧者ぶりを発揮してベスト8進出!

ゲキサカ / 2022年1月2日 20時43分

 実際には圧倒的な差は見せられず、相手を飲み込むことも叶わなかった中での先制点。この1点が青森山田に精神的な優位性をもたらし、阪南大高に精神的なダメージを与えたことは想像に難くない。以降は落ち着きを取り戻した青森山田が、試合をコントロールしていく。
 
 阪南大高にはツキもなかった。前半終了間際の40分には、松本が入れた左ロングスローの流れから、石川が強烈な左足シュートを繰り出すも、ボールはゴールポストに弾かれる。「前半はしっかり1-0で終われたことは凄く良かったと思います」と黒田監督。逆に言えば、青森山田には先制点の形も含めてツキもあったと言える。

 後半に入ると、まずは3分に松木の右CKから、ニアに入り込んだ丸山が高い打点のヘディングを叩き込み、スコアは2-0に。さらに12分にはMF宇野禅斗(3年)の素晴らしいインターセプトから、FW渡邊星来(3年)のスルーパスに走った名須川が、GKとの1対1も冷静に沈めて3-0。一気に勝負を決めに掛かる。

 阪南大高も19分には松本の右ロングスローがエリア内でこぼれると、得点ランキングトップを独走する鈴木が、さすがの嗅覚でボールをゴールへ押し込んで1点を返すが、20分に石川が迎えた1対1の決定機は枠の右へ外れ、最終盤の40+4分にDF保田成琉(2年)が枠へ収めたヘディングは、青森山田のGK沼田晃季(3年)がファインセーブで回避。ファイナルスコアは3-1。シュート数では阪南大高が9対8と上回ったものの、青森山田が丁寧に勝利を手繰り寄せた。

 この日の勝者の主役は、守備陣だったと言っていいだろう。相手に鈴木という絶対的なエースがいる中で、マークに付くことの多かった丸山は空中戦でもほとんど勝利。「鈴木くんに関してはもちろん前評判も高かった中で、終始我々の丸山大和がヘディングではほぼほぼ勝てたんじゃないかなと。プレミアリーグで清水エスパルスや柏レイソルの本当に素晴らしいフォワードたちと対峙してきたその経験値が出たのではないかなと思いますし、今日はセンターバックが非常に頑張ったと思います」と黒田監督。ディフェンスリーダーのDF三輪椋平(3年)もカバーリングに奔走しながら、勝負どころの空中戦では強さと高さを発揮。松木も「新チームが始まってから常に成長してきているセンターバックの2人がいるので、そこは頼もしいです」と厚い信頼を寄せている。

 また、見逃せないのはこの日のベンチに入ったDF大戸太陽(3年)の負傷を受けて、11月から右SBを務めてきた中山の働き。ドリブルに定評のある阪南大高の左SHに入った田中に仕事をさせず、左からのチャンスメイクを封じ切ったことも、勝利に直結する大きなポイントだった。

「阪南大高は前に速いサッカーということで、なかなかプレミアリーグ等では経験できないようなサッカースタイルだったんですけれども、我々のテーマのどんな相手でも対応できるサッカーを1年間やってきましたので、選手たちはよく対応してくれました」(黒田監督)。

 1年間でさまざまなスタイルのチームと、さまざまな真剣勝負を積み重ねてきた経験値の持つ引き出しの多彩さ。『どんな相手でも対応できる』青森山田の“三冠”達成までは、あと3勝。

(取材・文 土屋雅史)
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