今度は主将考案のセットプレーで決勝点。高川学園は自分たちで判断、行動する力、団結力も強みに国立へ!
ゲキサカ / 2022年1月9日 9時7分
[1.4 選手権準々決勝 桐光学園高 0-1高川学園高 等々力]
第100回大会選手権を沸かせている山口の雄が、過去最高成績に並ぶ準決勝進出だ。高川学園高は、初戦でのFK時に5選手が円陣を組み、回転をしながら相手のマークを外す“円陣回転”FK「トルメンタ」のゴールを皮切りに、2回戦、3回戦と多彩なアイディアのセットプレーでゴールを連発。17年ぶりの4強入りを懸けた準々決勝でも、負傷離脱中の左SB奥野奨太主将(3年)が考案したという新たなセットプレー戦術で決勝点を叩き出した。
0-0で迎えた後半15分、高川学園は右CKを獲得すると、ニアとファーポストに3人ずつが分かれ、ニアの選手が空けたスペースへ飛び込む形のサインプレーにチャレンジ。ニアの“門”がイメージ通りに開かなかったが、「ニアのスペース空いていないなと思ったので、ファーに残っていたら流れるかな」と状況判断してファーに残ったMF西澤和哉(3年)の下へDFのクリアが落ちる。コントロールした背番号14が右足を振り抜き、値千金の先制点となった。
対戦した桐光学園高の鈴木勝大監督が「高校生らしい凄くアイディアのあるセットプレーユーモアがあってチームの一つのストロングポイントなんだなと感じていました」と評し、同ゲーム主将のFW三原快斗(3年)も「映像と違って迫力があって、もっと徹底して(守備を)やればよかった」と悔んだ高川学園のセットプレー。「奥野を国立のベンチへ」を合言葉に戦う高川学園は、ピッチを離れてもチームと一緒に戦う主将のアイディアを活かして勝利した。
代役として出場し、連日の好キックで快進撃に欠かせない存在となっている左SB山崎陽大(3年)は「全員で勝ち取れた」白星を喜ぶ。そして、奥野の負傷離脱によって「団結力、一体感は増したと思います」と説明した。
セットプレーが話題となっているが、高川学園の強さの源になっているのが、団結力や自分たちから行動できる力だ。高川学園は筑波大のパフォーマンス局を参考に17年度から「部署制度」を採用。各部員が選手の体重管理や練習後のアイシングチェックなどを行う強化部、自チームのプレー分析をし、自分たちで映像を編集してミーティングを行う分析部、新聞の作成、SNSの投稿などを行う広報部、校内の畑で季節に応じた野菜を作ったりする農業部、用具部、おもてなし部、生活部、グラウンド部、審判部、企画部、総務部のいずれかに所属し、チームの運営に全員が何かしらの形で携わっている。
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