憧れのチームで背負ったキャプテンの重責。前橋育英DF桑子流空には次に抱いた大きな夢が待っている
ゲキサカ / 2022年1月5日 12時42分
[1.4 選手権準々決勝 大津高 1-0 前橋育英高 フクアリ]
タイムアップの瞬間。その場に突っ伏して、動けない。今年のチームをともに牽引してきたMF笠柳翼(3年)に、一緒にセンターバックでコンビを組んできたDF柳生将太(3年)、2人の部長に優しく抱き起こされ、ようやく立ち上がったキャプテンの涙に、懸けてきたものへの強い想いが滲む。
「最後のあの試合終了の笛で、自分たちが夢見た高校3年間の夢でもあり、目標でもあった日本一が閉ざされて、素直に悔しかった印象があります」。
小学生時代から憧れ続けた黄色と黒のユニフォームを纏い、頂だけを目指して全国のピッチに立った前橋育英高(群馬)のディフェンスリーダー、DF桑子流空(3年=前橋FC出身)の高校サッカーは、国立競技場を目前に控えた全国8強の舞台で幕を閉じた。
全国の強豪が集う高円宮杯プレミアリーグでも、結果を残してきた強豪の大津高(熊本)と激突した一戦。立ち上がりから前橋育英が押し込んだものの、前半11分にはサイドを崩される形から失点を喫してしまう。
「自分と将太のコミュニケーション不足もあったと思いますし、自分のクリアする場所も悪くて、セカンドボールを相手に拾われてしまって、本当に1つの隙を突かれて、ああいう失点をしたということは守備の連係不足でした」。桑子がそう振り返ったこの1点が、結果的にチームへ重くのしかかる。
「前半の最初に失点して、自分たちがボールを持つ時間が長かったんですけど、相手に引かれた状態で、最後は気持ちで押し込んで、ゴールをこじ開けたいという気持ちがあったんですけど、たぶん相手の守りたいという気持ちが上回ってゴールを決めることができなくて、最後の詰めの甘さが出た試合だったのかなと思います」(桑子)。
後半は5バック気味に守備を徹底した相手を押し込み続けたものの、最後までスコアは動かず。0-1という最少得点差での決着で、前橋育英の選手権は終焉を迎えることとなった。
キャプテンとして、常にチームのことを考え続けてきた1年だった。印象的な試合中の笑顔も、周囲に与える影響を考えて意識的に増やしてきた。「チームの雰囲気も良くなりますし、自分がミスしても仲間から声を掛けてもらったり、そういう部分では良い形で自分にも返ってきているので、これは続けていった方がチームに良い影響を与えられるのかなとは思ってきました」。すべては最後にみんなと望んだ結果をつかみ取り、笑い合うために。その一念を携え、時には厳しい姿勢でチームメイトにも接してきた。
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