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3年生のたゆまぬ努力で引き寄せた全国8強。前橋育英は寒風吹きすさぶいつものグラウンドから、またスタートを切る

ゲキサカ / 2022年1月5日 18時32分

 日本一を掲げて福井に乗り込んだインターハイでは、2回戦で東山高(京都)に0-1で惜敗。「細かいところの映像を見せて、振り返りをやって、トレーニングをやっていくことの繰り返しなんですけど、それによって1つ1つがクリアされていったようなところがあって、そういう地道なことを日々やっていかなくちゃいけないなというのは感じました」と山田監督。もう一度足元を見つめ直し、選手権への挑戦権を勝ち獲ってきた。

 全国初戦の草津東高(滋賀)戦でハットトリックを達成した守屋も、予選では準決勝まで無得点。「シュートが全然多くなかったので、シュート数を増やしたくて、結構強引にシュートを打ったりするプレーを増やしました」と意識改革に着手し、決勝ではチームを群馬制覇に導くゴールを奪ってみせた。

 力強いプレーで最終ラインのキーマンとなった柳生も、夏前まではセンターバックやボランチの控えという立ち位置。それでも、「自分のストロングを出して行けば試合に出れる」と憧れのセルヒオ・ラモスのプレーを参考にしながら、対人の強さをひたすら磨き、不動の定位置を手に入れた。

 守護神の渡部は公称“177センチ”。小柄だという周囲の評価を十分に受け入れた上で、「ハイボールに出ていけないと試合にも出られないので、身長がない分、そういうトレーニングは誰よりもやってきましたし、そこの練習量に自信はあります」ときっぱり。アグレッシブなスタイルを貫き、この日も果敢な飛び出しからのファインセーブで、決定的なピンチを回避している。

 選手権では全4試合に出場を果たし、攻守に存在感を発揮した大竹は、12月のプレミアリーグプレーオフで岡本の負傷欠場を受け、“代役”としてプレミア昇格に貢献。当時は「自分が代わって出ているから負けたとは言われたくないですし、しっかり歴史に名を刻めるように、自分を高めていきたいと思います」と話していたが、今大会では“主役”級のパフォーマンスでチームを何度も勢い付けた。

 とりわけ3年生たちが自分自身にできることを見つめ、課せられた役割を最大限に理解し、努力を重ねてきたことで、チーム力の輪はどんどん大きくなっていった。山田監督の「だんだん良くなりまして、ビルドアップの質も良くなって、徐々に伸びてきたなという1年間だったと思います」という言葉にも頷ける、非常に成長率の高いグループであったことは語り落とせない。

 新チームには悲願の昇格を成し遂げたプレミアリーグの舞台が待っている。先輩たちの“置き土産”を、根津や徳永を中心とした後輩たちが引き継ぎ、チームとしての経験値を積み上げていく。山田監督は来シーズンに向けて、こう言葉を紡いだ。

「よりハイレベルなところで1年間戦えますし、おそらく反省の繰り返しや連続で、だんだんチームも個人も伸びていくんだろうなと思うので、頑張りたいです」。

 最上級生たちがたゆまぬ努力で手繰り寄せた、全国ベスト8という素晴らしい成果。そんな3年生たちの背中を見ていた下級生たちは、その姿勢が示した答えを自分たちの力に変え、また寒風の吹きすさぶいつものグラウンドから、1年後の栄冠を見据えてスタートを切っていく。



(取材・文 土屋雅史)
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