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青森山田のラストピース。大ケガから帰ってきたDF大戸太陽が日本一へと続く道を煌々と照らす

ゲキサカ / 2022年1月9日 9時53分

帰ってきた青森山田高のラストピース、DF大戸太陽(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.8 選手権準決勝 高川学園高 0-6 青森山田高 国立]

 後半41分。国立競技場のタッチライン際に、2番を背負った右サイドバックが登場する。チームの誰もが待っていた男の“復帰”。ピッチの選手も、ベンチの仲間も、スタンドの応援団も、この瞬間を待ち侘びていた。

「この夢のような国立で、1分でも2分でもチャンスがあるのであれば、プレーさせたいという、その想いで選手たちも大戸のことを待っていたと思いますし、それはみんなに望まれる選手として、彼が1年間成長してきた証だと思います」(青森山田高・黒田剛監督)。

 インターハイとプレミアリーグEASTを制し、いよいよ選手権での“三冠”に王手を懸けた青森山田高(青森)。そのチームを、右サイドで攻守に渡って支え続けたDF大戸太陽(3年=Uスポーツクラブ出身)が、最後の最後で逞しく真剣勝負の舞台へ帰ってきた。

「『もう起きてしまったことはしょうがない』と思って、すぐに切り替えました。ああやって決勝の直前に自分がケガをしてしまって、多少なりともチームに対して悪い影響を与えてしまったというか、そういう部分もあったと思うので、自分がそこで下を向いていたりして、チームに対して悪いものを持っていかないようにと考えていましたね」(大戸)。

 チームに衝撃が走ったのは11月。選手権予選の決勝を3日後に控えた練習中に、大戸は左ヒザを痛めてしまう。当初は本人もそこまで大きなケガだとは想像もしていなかったが、診断の結果は前十字靭帯断裂という予想以上の重傷だった。

 不動の右サイドバックの思わぬ離脱に、チームメイトは奮起する。決勝の舞台でゴールを奪ったMF松木玖生主将(3年)は、自らのユニフォームの下に着込んでいた“2番”のそれを、報道陣のカメラの前で披露してみせる。試合は先制を許したものの、5-1で快勝。ドリンクボトルを運ぶなど、チームの雑用を積極的にこなしていた大戸も、優勝の記念写真には笑顔で収まった。

「大戸も選手権の全国で優勝するために青森山田に入学してきた男で、『新国立競技場に何としても彼を連れていってあげたい』という想いはありますので、いなくなったことは痛手ではありますけど、これでさらにチームが1つになれればいいなと思いますし、大戸のために『何としてもオレたちは負けられない』というメッセージは刻まれたと思います」。試合後に指揮官は、こういう言葉を残している。『太陽のために』。青森山田に負けられない理由が、また1つ加わった。

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