1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

苦しんだ日々からの再浮上。横浜FCユースMF井上輝に育ち始めている向上心と飛躍の芽

ゲキサカ / 2022年2月7日 12時12分

横浜FCユースの主役候補、MF井上輝

[2.5 LIGA KANTO U-18 帝京高 1-1 横浜FCユース 帝京北千住G]

 一度“どん底”を見た男は強い。破り切れなかった自分の殻に、亀裂が入り始めていることも、間違いなく実感している。あとは、もうそこから抜け出すのも、抜け出さないのも、すべては自分次第だ。

「チームとしては去年の結果をすべて上回れるような1年にしたくて、個人としては自分の目標であるトップチーム昇格もそうですし、代表に選ばれることも含めて、結果にこだわってやっていきたいかなと思っています」。

 横浜FCユース(神奈川)の主役候補。MF井上輝(2年=横浜FCジュニアユース)が振るう左足は、チームと自分自身をさらなる高みへと導いていく。

 新チーム始動後、初めての対外試合となった『LIGA KANTO U-18』。帝京高(東京)と激突した一戦は、前半から横浜FCユースが主導権を握る。「最初は間に立ったところから背後に抜けたり、背後に抜けるところから落ちて足元で受けたりとか、そういうポジショニングのところは結構気にしています」という井上とMF許田新太(2年)の2シャドーがうまくボールを引き出しつつ、右のMF清水悠斗(2年)、左のMF高塩隼生(2年)の両ウイングバックをうまく生かすアタックが機能する。

 逆に1点をリードした後半は、押し込まれる展開が続く中、井上に千載一遇の決定機が訪れる。15分。高い位置で相手のボールを強引にカットすると、そのまま独走。懸命に戻ってきたマーカーを鮮やかな切り返しで外すと、得意の左足でフィニッシュ。しかし、軌道はわずかに枠の左へ逸れていく。終盤に追い付かれたゲームは、1-1のドロー決着。試合終了直後に浮かべた、悔しそうな表情が印象的だった。

 2021年は苦しい時間を過ごすことが多かった。クラブ初挑戦となったプレミアリーグでも開幕スタメンに指名され、以降も試合出場を重ねていったものの、徐々にベンチスタートが増えると、夏の中断明けからは井上の名前がリーグ戦のメンバーリストから消えていく。

「最初は結構落ち込んで、人に矢印が向いたりしましたね」。実力は間違いないだけに、認めたくない現状を突き付けられ、メンタルが蝕まれていく。そんな時に寄り添ってくれたのは、自分を信じてくれるコーチだった。

「結構喝を入れられて、そこで自分に火が付いたかなという感じです。『このままBチームにいていいのか』とか、『プロを目指すならここにいちゃいけないだろ』と言われたので、それが自分の中で変われるきっかけになったかなと思います」。井上は自己改革に着手する。結果を求め、向上心を燃やし、腐ることなく自分と向き合う。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください