J理事退任の佐伯夕利子氏が涙の訴え「あの空気を絶対に壊してはならない」
ゲキサカ / 2022年3月8日 18時39分
Jリーグの常勤理事を今月15日限りで退任する佐伯夕利子氏が8日、実行委員会後のメディアブリーフィングで退任あいさつを行い、Jリーグの未来図を涙ながらに訴えた。同氏は長年にわたってスペインを拠点に活動し、コーチやフロントスタッフとしてヨーロッパサッカーの最前線を経験してきた現場出身のサッカー人。計4年間の理事経験を振り返り、熱く具体的な提言を示した。
佐伯氏は2018年、Jリーグの特任理事に就任。20年からは常勤理事としてJリーグの方向性を議論し続けてきた。「外から見ていた特任理事の時のJリーグと、中に入ってJリーグを見た時、全く違うなというのが第一印象でした。さまざまな違いが見える中で、まずは違和感を大切にしようと思いながら、違和感をスルーしないで一つ一つ皆さんと共有していくことで何か気づき、学びが得られたらと思い、日本サッカー界の向上に微力ながらお手伝いをできればという気持ちでやって参りました」。
常勤理事を務めた2年間は、世界中がコロナ禍に見舞われた期間と全く同じ。佐伯氏は村井満チェアマンの勧めで、スペインの地からリモートで理事会などに参加してきた。「ちょうど2年前くらい、JFAハウスのあたりに家を探しておりましたが、ついに住むことはなく、21年はウィークリーマンションに住みながら日本の当時57クラブを訪問して回りたいと思っていましたが、それも当然叶うことはなく、任期を迎えたということで残念な気持ちはありますが、この特殊な2年間にJリーグにお世話になったということに何か意味があったのかなと考えております」。スペインでの豊富な経験をJリーグに伝えることに加え、日本独自の社会連携プロジェクト「シャレン!」活動の推進に尽力してきた。
この日の挨拶でも日本とヨーロッパのサッカー界を比較しつつ、次々に熱量のこもった提言が飛び出した。
「日本からヨーロッパを見たときに、スポーツの立ち位置が圧倒的に違うなとあらためて感じております。たとえば私は社会連携を担当いたしましたが、社会連携でやはり出てくるのはEUというのはコロナがありましたが、必ずしっかりとスポーツに対して財源を確保します。スポーツに対する支援が圧倒的にあります。だからこそ、苦しい状況でもスポーツの進化と成長が止まらないという背景があるということを感じながら、私たちは社会連携で何ができるのかということを考えながらこれまでやって参りました」
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