努力の価値を知る常勝軍団の絶対的な中心軸。青森山田MF中山竜之介のテーマは「何事も人一倍やること」
ゲキサカ / 2022年3月13日 20時26分
自分で自分を律することのできる男だ。立ち位置を正確に把握しつつ、その中で目の前のことに120パーセントの全力を尽くせば、昨日より一歩でも、あるいは半歩でも成長できることを、自らの体験からハッキリと理解している。
「『何事も人一倍やる』ということは自分の中の人生的なテーマでもあるので、一番自分が努力するという姿勢は日頃から変わらないです。今年は高校最後の1年なので、気持ちはより入っていますね」。
努力の価値を知る、常勝軍団の絶対的な中心軸。青森山田の中盤を預かるボランチ、MF中山竜之介(2年=三菱養和SC巣鴨ジュニアユース出身)が日常から見せる姿勢が、チームが成長していく上で必要不可欠な要素であることは間違いない。
出場機会は唐突に訪れた。昨シーズンの終盤に差し掛かるタイミングで、不動のサイドバックだった大戸太陽(3年)と多久島良紀(2年)が相次いで離脱。チームは代役探しを余儀なくされる。そこで右サイドバックに指名されたのが、本来はボランチを主戦場とする中山だった。
「前も後ろも横も凄いので、自分の限られた役割をまっとうすれば、言い方は悪いですけど、あとは周りがやってくれるというか、本当に総合力も高くて、本当に凄いチームだったと思います」とは本人だが、そのグループの中に解き放たれ、自分の本来の力を発揮すること自体がそもそも簡単なことではない。それでも、中山はきっちりと与えられた役割を遂行していく。
「今まで経験したことのないレベルの試合がほとんどでしたし、中学生の頃から考えるとちょっと想像しがたいような経験でしたけど、サポートもあってある程度は緊張せずにできましたね。さすがに選手権の決勝は緊張したんですけど(笑)、たぶん一生に1回経験できるかできないかぐらいのモノだったと感じているので、それはサッカー面だけではなくて、自分の人生にとっても良い経験になったなと思います」。
プレミアリーグEAST優勝、そして高校選手権日本一を2年生唯一のレギュラーとして、ピッチで味わう。「あの経験は本当に大きいですし、それをどんどんチームに還元できれば、もっともっと成長できると思うので、すべてにおいて学びになったと思います」。かけがえのない“基準”を自らの中に取り込んだ。
今年は改めて本職のボランチに戻っているが、昨シーズンのドイスボランチは松木玖生(現・FC東京)と宇野禅斗(現・FC町田ゼルビア)だ。「まずすべてが自分とは違います。練習から技術レベルもそうですし、声のレベルも、すべての要素において一番抜けていて、余裕があって、だからこそ周りにも声が掛けられて、チームのモチベーションが上げられるし、ということで、そういう意味では本当に学ぶことしかなかったので、それを一番近くで見られていたことは凄く自分にとって大きかったですし、そのレベルに行けば全国優勝も見えてくるという分かりやすい基準があるので、そこにより近付けるようにと思えることは、去年の1年が大きかったです」
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