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あえて10人で戦う“決断”…横浜FM喜田拓也「僕らはその先のプランまで見えていた」

ゲキサカ / 2022年5月7日 20時26分

 またそうした考えを持っていた指揮官と同様、ピッチで戦っていた選手たちにも“10人で戦うべきだ”という強固な意思があったという。

 ハーフタイムに投入された仲川は「前半のうちに交代枠2を使うのはちょっと今後のプランが崩れてしまうのもあるし、時間も時間だったので、10人で戦って後半からという考えだった。自分もいきなりだったので、準備もあるし、そういった面も含めて我慢だった」とし、「あと5分くらいだったので、10人で頑張るというか、耐えてからというのがあった」と意図を明かした。

 さらに「ケヴィン含めてベンチの判断も素晴らしかったと思う」と振り返ったMF喜田拓也は「そこが明確だったので、僕ら選手もスムーズに進められたところもあったと思う。選手同士でもそう話をしたし、明確な提示もあったので、迷うことなくできた」と“ベンチ”と“ピッチ内”の意思が一致していたことを明かした。

 そうした意思統一ができた背景には、数的不利での成功体験があったようだ。今季のACLグループリーグ第3戦シドニーFC戦では、2-0で迎えた後半18分に角田の一発退場で数的不利を強いられたが、そのまま攻め続けて3-0で勝利。昨季も前半35分に退場者を出しながら勝利した第21節の柏戦(○2-1)を筆頭に、10人になった試合も2勝1分と勝ち越しており、“10人でも戦える”という自信があったのだ。

「いいのか悪いのかわからないけど、僕らああいうところに免疫はあるので」。そう誇らしげに語った喜田は「10人であろうが、マリノスのサッカーは変わらないというのは僕らが培ってきた強み。どこのチームでも持てるものではないと思う。焦りは一切なかったし、前半の時間も少なかったので、その先のプランまで僕らは見えていた」ときっぱり。「やられるような雰囲気もでもなかった。もちろん気をつけてはいたけど、意思統一ができていたので心配はなかった」と胸を張った。

 もう一つ決して見過ごしてはならないのが、横浜FMのベンチに交代起用するに値する選手がズラリと控えているということだ。喜田がとりわけ強調したのもこの点だった。

「ゲームを見てもわかってもらえると思うけど、途中から入ってきた選手のパワー、流れを変える力は素晴らしい。彼らと話していても、彼らの姿勢が素晴らしいなと。もちろんスタートから出たいのは選手全員そうだと思うし、全員がチームのために頑張れるのは言葉で言うほど簡単じゃない。そういう姿勢を持った選手を入れられるシーンを作れたという意味であの判断は意味があった。賭けに見えるかもしれないけど、中の感覚としては焦りも一切なく、考えていることやどう進めていくかに統一が取れていたので、バタバタすることはなかった。コミュニケーション力だったり、選手自身が動いていく力。ACLに紐付けると、そこで培っていた力でもある。そこをピッチに反映させられたと思う」

 ただ単に交代枠を残していたというだけでは、何も生まれなかったかもしれない。ベンチにいる選手たちが準備をしているからこそ、ベンチと選手の意思統一が生まれ、10人で戦うことに意味が出てくる。そんな横浜FMのチームとしての強さが詰まった“決断”が、1か月ぶりとなるJ1リーグ凱旋試合での白星をもたらした。

(取材・文 竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!
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