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「下剋上」掲げてプリンス勢3連破!関西大北陽がインハイで「令和の北陽」の強さ、姿勢を示す

ゲキサカ / 2022年6月12日 9時55分

 関大北陽は勢いを持って臨んだ立ち上がりの後は、重心を下げて相手のビルドアップに対応。前日までミーティングを重ねて改善してきたというボールの奪いどころの部分が徹底されていた。興國は宇田や平古の1タッチパスなどで左右、中へと動かし、ドリブルで剥がしてラストパス。相手の狙いを上回るような攻撃も見せていたが、関大北陽は相手選手の前でボールに触れることや最後の局面で一歩を踏み出すことを各選手が表現し続けていた。

 そして、1点を守るだけでなく、果敢に2点目を狙って東村を起点としたショートカウンターにもチャレンジする。前半を0-1で折り返した興國は後半に攻勢を強め、11分には早坂の右FKから西川がヘッド。14分には交代出場のMF岡野真拓(3年)がDF背後へ飛び出したが、関大北陽GK野津に距離を詰められてシュートを打ち切ることができない。

 関大北陽は特に大平と野津が相手のクロス、ラストパスに立ちはだかり続けた。主将の使命感を持ってゴールを守る大平と、課題だったクロス練習に毎日取り組んで強みに変えた野津が鉄壁の守り。彼らだけでなく、ピッチの11人がタックルを決めたり、体を投げ出してクリアしたりする姿勢が印象的だった。

 OBでもある矢田竜之監督が説明したのは、仲間たちへの思いの強さだ。普段は1日3時間、人工芝グラウンドのハーフコートを88名の部員が分け合って使用。今大会期間中は他の選手たちが自分の練習時間を削って、トップチームの選手たちのためにグラウンドを割いてくれた。「感謝の気持ちを込めてヌルいことはできないという気持ちがあって、体を張ってとか、足が伸びてというところに繋がったかなと思います」と指揮官は目を細める。

 18分にFW山崎帝(3年)を投入した興國は個々の技術力、判断力が高く、どこからでもチャンスを作り出そうとしてくる。だが、「自分たちの特長である守備の粘り強さは全員ができることなので、そこは強みとしてやりました。今年の新チームが始まってから、キレイなサッカーではなく泥臭く勝つということをやってきた」(大平)という関大北陽の粘り守りは崩れない。

 関大北陽は25分にロングカウンター。東村が大きく前進し、交代出場のFW森山響己(2年)のクロスに村田が飛び込んだ。惜しくも仕留めることはできなかったものの、狙い通りの展開。残り10分を切ってからはともに主力級のMF栗野優吾(3年)とMF小西孝史(3年)、またMF田中慎一(3年)、FW日谷陵真(2年)を相次いで送り出した。

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