「下剋上」掲げてプリンス勢3連破!関西大北陽がインハイで「令和の北陽」の強さ、姿勢を示す
ゲキサカ / 2022年6月12日 9時55分
興國に攻められる時間は長かった。だが、野津が「後半は35分ずっと押されてきたけれど、長い間北陽は苦しんできていて、それに比べたらこの35分はそんなに苦しいものではないので乗り越えられた。2年前くらいから苦しくて負け癖がついてしまっていたので、それを乗り越えるために試行錯誤して必死にやってきたので、それに比べたら全然耐えられる」という関大北陽は我慢して、乗り越えて1-0勝利。三度「下剋上」を成し遂げた。
かつてインターハイには5年連続出場(87~90年)や4年連続出場(72~75年)をした歴史もあるが、当たり前のように全国舞台に立つことができた時代と現在とでは異なる。矢田監督は「僕のプライドはありますけれども、選手たちに押し付けても。時代は変わっているので」とコメント。ただし、チームコンセプトの全員サッカーは以前も、今も変わらない。
大平は「下剋上」というテーマを掲げた理由について、「今まで全国大会に出るのが当たり前というプライドがあって、なかなか結果が出ない中で一からやり直すという意味で『下剋上』でやりました」と説明する。08年に関西大の附属校になったことで「強い北陽」はまた違う色を加え、「令和の北陽」の選手たちは北陽のプライドを真の部分で持ちながら、より挑戦する姿勢を持って戦い、壁を破った。
矢田監督によると、22年インターハイの開催地・徳島は北陽を全国屈指の強豪に育てあげた野々村征武氏の故郷なのだという。選手、コーチとしてその下で学んできた矢田監督は「北陽高校が全国大会に出ることで喜んでくれる全国の方々もやはりいらっしゃいますし、その低迷していた時期から上がってくる過程を知っている方もいるので、そういうチームがこの舞台に帰ってきてサッカーを展開していけたらいい」と語り、野々村前監督と「一緒に」ベンチで全国舞台を戦いたいという思いを明かしていた。
選手たちは全国大会出場で満足はしていない。野津はインターハイへ向けて「歴史のある学校なので『昔の北陽に戻った』と全国に思わせられるような、古豪じゃなくて強豪と言わせられるような舞台にしたいです」と語り、大平も「北陽の名を出せたことは僕たちとしても嬉しいですし、そこで結果を出さなければ何も無いので、『強い北陽が戻ってきた』と証明したいと思います」。「令和の北陽」が自信を持つ堅守、ショートカウンター、強い挑戦心、そして変わらぬ全員サッカーで「強い北陽が戻ってきた」ことを示す。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022
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