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伝統の「勝ち切る力」を取り戻しつつあるカナリア軍団。帝京が延長3発で粘る國學院久我山をしぶとく撃破!

ゲキサカ / 2022年6月13日 13時2分

 6分。相手のフィードを梅木がヘディングで弾き返したボールに、延長前半から投入されたMF山崎湘太(2年)がいち早く反応して左サイドを独走。飛び出したGKの鼻先で中央へ折り返すと、そのまま全速力で走り込んできた梅木が無人のゴールへプッシュする。「怜も1失点目は自分のせいだと思って落ち込んでいたんですけど、あのシーンは良く走ってくれました」と押川も称賛した4番のセンターバックが、試合を決めるダメ押しゴール。4-1。

「最後はもう気持ちの勝利でしょうね。ウチが今まで久我山さん相手に苦しんできたことも、コイツらはよくわかっているし、そういう先輩たちの分までという想いもあったみたいだから、今までの悔しさを晴らしてくれたかな」と日比監督も話したように、最後は先輩たちの想いも乗った“オール帝京”で粘り勝ち。2年連続での夏の全国切符に、あと1勝と迫る結果となった。

 昨年までインターハイでは10年間、選手権では11年間も全国の舞台から遠ざかっていた帝京。その間には十分なレベルのチームを構築できた年もあったが、いわゆる“キーゲーム”をことごとくモノにできず、先輩たちは涙を呑み続けてきた。だが、昨年度のインターハイ予選準決勝では堀越高相手に2点のビハインドを突き付けられながら、後半終了間際に追い付くと、延長戦の末に勝利をもぎ取り、久々の全国出場を劇的に経験した。

 1年時からゲームに出続けている伊藤が「勝ち切れないと結局悔しい想いをするのは自分たちですし、先輩たちが悔しい負け方をするところもよく見ていて、ある意味では勉強になっていたので、そこは普段の練習から勝ち切る意識を高めてやれているなと思います」と話せば、「勝負にこだわることをみんなが意識することが多くて、ミーティングも結構やってきた中で、『最終的に勝ち切ろう』という話もしていますし、そういうところが結果に繋がったかなと思います」とはやはり1年時から出場機会を得てきた押川。勝ち切れなかった時期と、ようやく勝ち切った時期の、両方を体感している彼らの存在が、今年の帝京にとって何より大きなアドバンテージになっていることは間違いない。

 手応えのある勝利を収めた試合後も、既に目線は次の試合へと向けられる。「今日の勝利は自信にこそ繋がったかもしれないけれど、次に勝たなかったら全く意味のない試合になってしまうし、久我山さんの分までやらないといけないですよね」(日比監督)「今日も苦しい試合になってしまいましたけど、自分たちは夏と冬は必ず日本一を獲りに行こうと話していて、傍から見たら笑われる目標かもしれないですけど、自分たちは本気でできると思っているんです。そのためには東京予選で手こずっているようではまだ甘いと思うので、あと1週間で改善点を克服して、完璧な状態で準決勝に向かいたいです」(伊藤)。

 勝利への渇望感と、ピッチの外から声なき声で仲間を鼓舞する、メンバー外の選手も含めた一体感。勝ち切れる帝京、勝ち切れるカナリア軍団は、かつてのように高校サッカー界の主役の座へ返り咲くことを、真剣に、全員で、狙っている。

(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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