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[MOM3908]帝京MF押川優希(3年)_三浦颯太の系譜を引き継ぐカナリア軍団の8番は時空を操るコンダクター

ゲキサカ / 2022年6月13日 18時10分

帝京高が誇る「時空を操る」司令塔、MF押川優希

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.12 インターハイ東京都予選準々決勝 帝京高 4-1(延長) 國學院久我山高]

『時空が歪む』とでも言うのだろうか。この男にボールが入ると、ゲームのスピードが瞬時にコントロールされていく。周囲を見渡しながら、冷静に、正確に、次に送り届ける場所を見極め、チームがスムーズに回っていくように、タクトを振るい続ける。

「自分が真ん中で焦ってしまうと、みんなも焦って蹴ってしまうので、自分がプレーで落ち着いている様子を見せられたら、みんなも落ち着いてできるかなという想いがありました。自分のところで時間を作れれば、みんなも安心して当ててくれますし、そこからまた走り出したりすることが増えるかなと考えていて、そこは良くできたと思います」。

 復権を期すカナリア軍団の時空を操るコンダクター。帝京高MF押川優希(3年=東京ヴェルディジュニアユース出身)が披露した別格の落ち着いたプレーが、チーム全体で掴んだ100分間の勝利の中でも、一際輝いた。

 それは、1人だけ着ている長袖のユニフォームのせいではないだろう。明らかに周りとは違う空気感を纏っている。何より、焦らない。ピッチの中央にどっしりと構え、ボールを動かしたいチームスタイルの中で、極めて冷静にパスを引き出しながら、パスを送り続ける。

「自分が時間を作れたら前も動き出せて、良い距離感で攻撃にすぐ繋げていけるような場面が増えると思うので、そこは最近意識してやっています」。去年のチームではドイスボランチを組んでいた狩野隆有(新潟経営大)に攻撃面は任せていたが、今年はMF田中遥稀(3年)とのバランスを見ながら、攻撃へ関わる比重を高めているという。

 冷静な判断は、シビアなゲーム展開の中でも発揮される。國學院久我山高と対峙した準々決勝は、終了間際に追い付かれて延長戦へと突入することに。だが、押川には確信めいた予感があった。「失点してもそんなに焦ることはなかったです。去年のインターハイの堀越戦も先に2点獲られたところから、自分たちが逆転していましたし、チームのみんなも全然落ち込んでいる様子はなくて、『点を獲りに行くぞ』という切り替えが早かったので、『ああ、大丈夫かな』とは思いました」。

 押川には勝利を信じる、もう1つの理由があった。「スタンドから応援してくれる選手も含めた中から、試合に出る11人に自分は選ばれているので、その責任はあると思っていました。出ているからにはその責任をまっとうしないといけないですし、『恥ずかしいプレーや弱気なプレーはできないな』って。みんなが背中を後押ししてくれた感じはありましたね」。

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