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「オレたちを全国が待っている」。目的と目標を自覚する関東一がPK戦を制して、再び“無念の出場辞退”を味わった全国へ!

ゲキサカ / 2022年6月19日 7時59分

 揺れたゴールネット。駆け出す黄色いユニフォーム。「今年は勝てない苦しい時期があって、いろいろ言われてきて、それをまずはこの勝利で1つ乗り越えられたのかなと思って、自然と涙が出てきました」という遠田を筆頭に、3年生の大半が涙を見せた関東一が執念のPK戦勝利で、徳島へと乗り込む権利をもぎ取った。



 関東一は、苦しんでいた。「去年は選手権でベスト4という素晴らしい結果を先輩たちが残してくれて、今シーズンも自分たちは期待されて3年に上がったんですけど、招待大会もリーグ戦も本当に思うような結果が出なくて……」(遠田)「新チームになって全員が苦しい想いをして、いつもうまく行かなくて、苦し過ぎて……」(本間)。上がったハードルと、思うように付いてこない結果に、チームは自信を失いつつあった。

 準々決勝で国士舘高に4-0と快勝を収め、迎えたこの日の“全国決め”の一戦。指揮官は冒頭に記したような言葉で、選手たちに語り掛けた。「ちょっとカッコつけた言い方になっちゃったんですけど、全国に行きたい気持ちは高輪台もウチも五分五分ですし、これは準決勝の相手がどこであっても、“あのこと”があった直後の全国大会にウチが行くのは、凄く意味のあることかなと思ったので、『いろいろな人の想いや時間的なもので考えるなら、きっと全国は君たちを待っているんじゃないか?』という話はしました」(小野監督)。

「本当に監督の言葉というのは、自分たちをいつも凄く奮い立たせてくれるので、『もう試合をやる前から勝っていたな』という感じがありますね。自分たちが感じ続けてきたそのプレッシャーですら、押し返すほどの力が今日はあったと思います」(矢端)「ここまでの苦しさは全部今日のためだったと言ってもいいと思うので、自分たちがやってきたことが全部発揮されたというか、苦しい想いをしてきた中で扉が開けて、やっと第一段階を抜けたなと思いました」(本間)。彼らは感じ続けてきたプレッシャーに、自ら打ち克ったのだ。

「このチームの目指すところを考えると、全国は目的ではなく、目標だと思っているんです。我々の目的は1人1人の生徒をちゃんと次のステージに進ませてあげることと、成長させてあげることなんですけど、彼らはサッカーをやっている以上は、目標として『全国大会に行きたい』とか『どこと試合をやりたい』ということが具体的なものだと思うので、今の我々はその“目的”と“目標”をちゃんと子供たちが理解してくれているのかなと。押し付けの“目標”ではなくて、ちゃんと自分たちの中で“目的”に対してどういう通過点があるのかということをわかってくれていたらいいなって思うんですけどね」(小野監督)。

 “目的”の過程にある、第一段階として掲げた“目標”への到達。あの言いようのない悔しさを味わった全国の舞台が、今度は真夏の徳島で関東一の選手たちを待っている。



(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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