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心に響いたクロップの言葉「拓実は拓実のままでいい」。リバプール南野拓実が著書『Inspire Impossible Stories』出版イベントに出席

ゲキサカ / 2022年6月25日 6時30分

 移籍当初は「早く結果を出して2、3年でステップアップしたいと思っていた」が、ザルツブルクでの在籍期間は5年間にも及んだ。その間は日本代表にも定着できず、UEFAチャンピオンズリーグ出場権を逃す年が続くなど、自宅の壁に貼っていた「ビッグクラブでスタメンでプレーする。チャンピオンズリーグに出る」という目標が遠のきかけた時期もあった。

 しかし、遠くの夢に向けて「そのために今季いくつゴールを取って、次の試合に出るためにこういうところを意識する」といった近い目標も記し続け、「自分の目標がブレなかった」と南野。「ビッグクラブでプレーしたい、スタメンになりたい気持ちは常にあった。そのために海外に行って、プレーして、その目標のために頑張ってきたので」。そんな気持ちは2019年秋、ついに報われることになった。

 2019年10月3日にアンフィールドで行われたリバプール戦。ザルツブルクの一員として先発出場した南野は2点ビハインドの後半11分、ミドルレンジからの右足ボレーで1点差に詰め寄るゴールを決めると、後半15分には当時ともにプレーしていたFWエーリング・ハーランドのゴールをアシストし、1ゴール1アシストの活躍を見せた。試合には惜しくも3-4で敗れたが、このパフォーマンスがキャリアを大きく切り拓いた。

 リバプールからのオファーを耳にしたのは試合直後の10月のこと。「サッカー界では対戦相手から選手を引き抜くことが起こりうるし、チャンピオンズリーグはそういう舞台。相手にアピールして、ビッグクラブにスカウトされるのは良くある。そういうモチベーションもあった」。そう振り返る南野にとっては、願っていたとおりの大ニュースだった。

 あの一戦に満足していたわけではない。「試合自体は3-4で負けてしまって、試合後は単純に悔しかったです。試合前はそう(アピールのことを)思っていても、試合が始まると集中しているので、勝つことだけしか考えていなかった。試合後はあと一歩で勝てたのに……という悔しさしかなかったです」。そういった姿勢も異例のオファーにつながっていたことは想像に難くない。

 5年間を過ごしたオーストリアでの苦労について「一番は食事。パスタを作ったり、野菜を買ってきて切ってサラダにしたり、チキンを焼いたり。基本的にパスタ、チキン、サラダだけ。それを味を変えて食べていました(笑)」とユーモアも込めて振り返った南野。客席に集まった子どもたちに向けて「その経験は今の自分にとってすごくよかった。もがき苦しんだからこそ今があると思っています」と熱を込めて語った。

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