[MOM3944]九州国際大付FW山本悠太(3年)_託されたジョーカーの矜持。土壇場での決勝点で劇的勝利の立役者に!
ゲキサカ / 2022年8月7日 20時37分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.24 インターハイ1回戦 関東一高 0-1 九州国際大付高 徳島スポーツビレッジピッチB]
自分の役割は十二分に理解している。みんなが必死に、懸命に繋いできてくれたバトンを、ゴールという結果へと結びつける。それこそが“ジョーカー”の矜持であり、ストライカーとしてのプライドの発露だ。
「前半からキャプテンの米山をはじめ、キーパーも含めて身体を張って守備をしてくれるので、自分はとにかく守備でも攻撃でも全力で走って、チームに貢献したいと考えていますし、リーグ戦を通しても、後半から流れを変えていくような役割で使われているので、今日の試合も流れを変えられて、得点を獲れたのはとても良かったと思います」。
昨年度の選手権で全国4強を経験した難敵撃破の立役者。九州国際大付高(福岡)の9番を背負うスピードスター。FW山本悠太(3年=小倉南フットボールクラブジュニアユース出身)の執念弾が、チームの劇的な勝利を鮮やかに手繰り寄せた。
今か、今かと、待ち侘びていた。関東一高(東京)と対峙した1回戦。前半から九国大付は好リズムでゲームを進めていたものの、後半に入ると少しずつ押し返され始める流れの中で、アップエリアから試合を見つめていた山本は、その出番を待ち侘びていたのだ。
後半22分。とうとうベンチから声が掛かる。「ウチで一番足りていないアタッカーのどんどん仕掛けていく姿勢と得点力があって、ああ見えて意外とヘディングも強くてターゲットにもなれるんです」とはチームを率いる江藤謙一監督。まさにジョーカー起用。勝敗を左右する重要な局面で、9番がピッチへと解き放たれる。
30分。相手のパスミスをかっさらった山本は、そのまま少し運びながら右足一閃。しかし、軌道は枠を越えてしまう。思わず頭を抱えるしぐさを見せたものの、すぐさま切り替え、再びその視線を前に向けると、ゴールの女神はもう一度だけ微笑みかけるチャンスを、このストライカーに与えてくれる。
33分。右サイドからのスローイン。MF濱中翔太(2年)のロングスローを、キャプテンのDF米山凛(3年)が粘って残し、DF井上陽斗(3年)はループシュートにトライ。フワリとした軌道はクロスバーに当たって跳ね返ったが、「味方が打った時に、何かしらが起きるというのはわかっていた」と言い切る山本は、誰よりも速くこのこぼれ球に反応する。
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