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突き付けられた初戦敗退。「負ける悔しさ」から学んできた青森山田の反攻はここから始まる

ゲキサカ / 2022年7月26日 7時16分

 わずかな綻びを察知した、悪い予感は的中する。後半15分には左サイドからクロスを上げられると、ニアへ走り込んだ選手にヘディングを叩き込まれて、同点に。24分には右サイドからのクロスを許し、GKのパンチングのこぼれ球をゴールネットへ突き刺される。

「『2本中の2本』をきっちり決められたなという印象ですね。プレミアで連敗した時も結局はクロスに対してのマークのところが問題で、ああいった局面をきちっと改善できていないと、やっぱりしんどくなってきたりしたところで、我々が本来やるべきことをきちんとやり切れなかったということだと思います」(黒田監督)。青森山田が掲げる『1本中の1本』という攻撃のテーマを、まさに相手に遂行された格好で、無念の初戦敗退を突き付けられることになった。

 ここ数年の青森山田の基準で考えれば、率直に言ってこの日のゲームは“勝ちゲーム”だった。『ここを決めていれば』で、きっちり決める。『ここを守り切れば』で、きっちり守り切る。それができていれば、チャンスの数やピンチの数を勘案しても、負ける内容では決してなかったはずだ。

 帝京を率いる日比威監督が「見ての通り、青森山田さんは圧が強いのと、ボールに対しての空間認知、1つ1つのボールの止める蹴るの技術、ロングスローにしても、すべてにおいて1枚上だと思いますし、よくそれを耐えたなと」と話した言葉と、それに続けた「Jリーグのアカデミーも高体連も含めて、青森山田さんはやっぱり一番のチームですから、そのチームとやれたことがこの選手たちの財産ですし、結果が付いてきたのは本当にラッキーだったなと思います」という言葉はどちらも本心だろう。

 試合後。小湊が泣いていた。DF多久島良紀(3年)とMF中山竜之介(3年)という、昨年度の基準を知る2人が離脱していた時に、キャプテンマークを巻いて“勝てない重圧”と戦い続けていたエースの涙に、ここから彼らが期すべき反攻への確かな萌芽を見る。

「これから強化という意味で、真夏の日本列島の中で、1分でも2分でも長く走れるように、100パーセントの力を発揮できるようにならないといけないだろうし、今日の前半もプレッシングがかなり効いていたところで、帝京の土俵でサッカーをさせなかったところは良かったと思うんですけど、それが前後半できなければ話にならないわけで、そこは課題としてしっかり見えてきたので、追い込みをかけていきたいなと思います」(黒田監督)。

 1分でも、2分でも。1パーセントでも、2パーセントでも。『1本中の1本』でも、『2本中の2本』でも。向上する可能性があるのであれば、それを追求し続ける。三冠チームと今年のチームの一番の違いは、『負ける悔しさ』から学んできた経験値。2022年の青森山田がそのパワーを解き放つ舞台は、まだまだここから十分に残されている。

(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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