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16年ぶりの全国4強にも満足感はなし。4ゴールを奪って岡山学芸館を撃破した帝京が真剣に目指す「あと2勝」

ゲキサカ / 2022年7月28日 19時17分

 岡山学芸館も意地を見せる。終了間際の35+6分。相手CKを跳ね返した所から、高速カウンター発動。MF田口裕真(2年)のパスを引き出したMF木村匡吾(3年)が丁寧な右クロスを上げると、突っ込んだ田邉のヘディングが右スミのゴールネットを捉える。

「『最後まで絶対にあきらめるな』『最後まで戦い切るぞ』というところで、最後に1点獲れたというところは、今年のチームの頑張りが出た成果かなと思います」と高原監督が選手たちを称えた岡山学芸館も執念の1点を返したが、ファイナルスコアは4―2。帝京が白熱の真剣勝負を制し、セミファイナルへと勝ち上がる結果となった。

「もう少し今日は締まったゲームをやりたかったなと。手放しで喜べないというか、しっくりこないなという感じではありますね。ただ、そこは切り替えさせて、もう1回、2回でも、3回でも、ねじを締め直したいです」と日比監督が渋い表情を浮かべれば、「2失点してしまったんですけど、セットプレーとカウンターからというのは一番いらない失点なので、そこは自分がもっとチームをまとめないといけないと思っています」と大田もきっぱり。あえて結果と内容の“二兎”を追い求めてきた帝京にしてみれば、この日は納得のいく内容ではなかったのだろう。

 昨年度のインターハイでは、実に10大会ぶりの全国出場を果たすと、今回はとうとう4強まで駆け上がった帝京だが、指揮官はそこに至る流れをこう語っている。「過去のことを振り返ると、この学校自体が優秀な結果を残してきていることで僕らもアドバンテージをもらっていますけど、僕ら自身はそれにあぐらをかいて『帝京だぞ』なんて言っても、『長岡?』『可児?』『三高?』なんて言われちゃうわけだから、もっともっと先輩たちが築いたようなことをやらないといけないと思いますし、強くしないといけないと。でも、それは本人たちがよくわかっていますし、今のウチの良い部分かもしれないですね」。

 強い想いを携えているのは、徳島で戦っている20人だけではない。「試合が終わるごとに、東京に残っている仲間たちから『勝ってくれてありがとう』とか『カッコよかった』とか言ってもらっているんです。サッカーを本気でやっている仲間に感謝されることは嬉しいですし、本気で応援してくれる仲間がいるので、中途半端な試合はできないですし、『みんなの分も戦ってきたぞ』と胸を張って言える結果を出せるように、頑張りたいです」とはキャプテンの伊藤。チームの一体感も、東京と徳島という地理的な“壁”を超えて、一戦一戦高まっているようだ。

「もともとこの代で日本一を獲るというのは、最初の目標で決まっていたので、ここまで来たからには帝京の名前を復活させて、10個目の星を付けて、胸を張って東京に帰ります!」。田中が言い切った想いは、間違いなく部員全員の共通認識。カナリア軍団、復権へ。夏冬通じて10度目の日本一を奪い取るために必要な勝利は、あと2つ。

(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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