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高体連最高峰の「スタイルウォーズ」。矢板中央の貫く覚悟に苦しみながらも前橋育英が執念の逆転勝利!

ゲキサカ / 2022年7月29日 7時0分

「チームの雰囲気的に『これは行くな』という確信がありました。ベンチからの声掛けも凄く良かったですし、自分はみんなのことを凄く信頼していて、先に1点は獲られましたけど、まだ時間は長かったので、絶対に逆転できるという気持ちはありました」と徳永も言い切った前橋育英が、力強い逆転勝ちで準決勝へと駒を進める結果となった。

「今年は去年のメンバーがそっくり抜けて、厳しい世代だって言われていたんですよ」と明かすのは高橋監督だが、「1年生の時から結構『この代はヤバい』とみんなで話していて、たぶんそのおかげで3年間危機感を持ちながらやってきたことで、それが今年の色というか、チーム力として出ているので、そこは逆に言われる方がありがたいです」とは若松。反骨心を武器に、厳しい練習にも耐え、矢板中央の選手たちは地道な努力を続けてきた。

 その成果が、同校のインターハイ最高成績となるベスト8進出。それでも田邉は「ベスト8まで行けたのは自分たちが成長していく上で良い経験になったし、このインターハイでだいぶ成長できたかなとは思うんですけど、もちろん課題も見つかったし、チームとして通用しなかった部分もあったので、選手権に向けてチーム一丸となって戦っていきたいです」と、もうこの先へと視線を向ける。

「やっぱりできることを大切にしていきたいなと。そんなにたくさんのことをやるよりも、しっかりプレーする、守備する、真面目にやれるように、ひたむきに、シンプルに、サッカースタイルを作っていきたいと思っています」と口にした指揮官が、「あと一歩というところまで行ったんだけどね。悔しいね。悔しい。次に切り替えて、また頑張ります」と続けた言葉に、このチームのさらなる成長の余地が垣間見えた。

 前橋育英のこの大会に懸ける想いも、ピッチのあらゆるところから立ち上っていた。「選手権はベスト8で負けて、自分も『もっと上に行けたのに』という悔しい想いをしたので、『今年は絶対にそこを超えたい』という想いはありましたし、この瞬間が終わってしまうと、もうそれは戻ってくるわけではないので、この試合に懸ける想いは去年の選手権での負けから繋がっているかなと思います」と話した徳永が、ハーフタイムに「ここが人生を変える試合だぞ!」とチームメイトに飛ばしていた檄も印象深い。

 長崎総合科学大附高。聖和学園高。矢板中央高。三者三様のスタイルを持つ難敵を撃破してのベスト4進出。「こういうチームはプレミアにはいないので、本当に勉強になっています。次の米子北も“ザ・高体連”ですよね。ガンガン来ますよ」と山田監督は準決勝の相手に言及。ただ、もちろん自分たちのスタイルを曲げるつもりなんて毛頭ない。

 勝利した試合直後。「監督をてっぺんまで連れて行って、胴上げしたいというのは全員で話していますし、もちろん今年で日本一にならなくていつなるんだという気持ちではいるので、もうみんなが次の準備に切り替えようというモチベーションでいると思います」と徳永はきっぱり。このスタイルで、日本一に。前橋育英が抱えるその想いは、覚悟は、矢板中央のそれと同様に、決して揺らぐことはない。

(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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