[MOM3967]前橋育英MF徳永涼(3年)_けん引役が試合終盤に示した価値
ゲキサカ / 2022年7月29日 20時36分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[7.29 インターハイ準決勝 前橋育英高 0-0(PK4-3)米子北高 徳島市球1]
ピンチに必ず現れる。苦しい試合で頼れる主将がチームを支えていた。全国高校総体(インターハイ)サッカー競技男子の準決勝、前橋育英高(群馬)は前回準優勝の米子北(鳥取)を相手に苦しんだ。
前半15分までは完全に押し込まれる展開。相手のセットプレーも多い中、キャプテンマークを巻いた14番、徳永涼(3年)は「マジでやれよ、おい、ここだぞ!」とチームを鼓舞し続けた。
クーリングブレイクを挟んでからは少しずつ得意のパスワークが機能。試合の主導権を握った。しかし、米子北の守備は堅かった。サイドアタックを繰り返しても、なかなかゴール前にボールを運べない。クロスを合わせ切れず、焦れてもおかしくない展開だったが、徳永が扇の要となり、サイドチェンジを繰り返し、粘り強く攻撃を続けることで相手に反撃の機会を与えなかった。
米子北がもう一度ペースを上げたい後半の立ち上がりも、徳永は「ここからの15分で行くぞ!」と味方にギアを上げるように指示。スピーディーなポジション取りで完全にボールを支配し、試合の主導権を渡さなかった。
後半のクーリングブレイクに入ると、山田耕介監督は「チームの士気を上げるために必要。不安もあるけど早めに投入してチームにパワーを与えてくれと伝えた」と、右ひざの負傷で本調子ではないMF根津元輝(3年)を投入。昨年も主力として組んでいた徳永、根津のダブルボランチが復活した。
「元輝、お前は攻撃に行けよ」と声をかけた徳永は「昨年ずっと組んでいて、2人だけのあうんの呼吸もあるし、隣にいてくれる信頼感もある。本調子でなくても戻ってくれたことが自分にとっても、チームにとってもプラス」と相棒の復帰を歓迎した。
そして、チームのけん引役が最も価値を示したのが、オープンな打ち合いの様相を呈した試合の終盤だった。選手交代でパワープレー気味に押し返してきた米子北に対し、徳永は最終ラインと連係して守備で応戦。「攻めている分、リスク管理には神経を使っている。自分たちが負けるパターンは、カウンターで点を取られることだと、プレミアリーグを通して感じていた。その経験が生きた」と冷静に振り返ったが、心身ともに疲労度が増す終盤に要所を抑えるプレーは見事。相手に足下をすくわれかねない展開の試合で、前橋育英が負けなかった要因の一つは、間違いなく徳永のプレーとコーチングだ。
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