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夏準Vから冬の日本一へ。帝京主将は“らしい“宣言の一方で、優勝校の姿を瞼に焼き付ける

ゲキサカ / 2022年7月31日 20時26分

帝京高FW伊藤聡太主将(10番)は表彰式、その前後も優勝校の姿を目に焼き付けていた。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.30 インターハイ決勝 帝京高 0-1 前橋育英高 鳴門大塚]

 主将は優勝校が表彰を受ける姿から目を背けなかった。20年ぶりの優勝を目指した帝京高(東京1)は後半アディショナルタイムの失点によって0-1で敗戦。プレミアリーグ勢の前橋育英高(群馬)に主導権を握られる展開ではあったものの、執念に近い守備で無失点を継続し、個々のスキルの高さと切り替えの速さを活かしたカウンター、巧みな崩しで決定機も作り出した。

 FW伊藤聡太主将(3年)は、「崩しの面に置いても、球際の面に置いても、前橋育英が一歩上回っていたと思います」とした一方、「自分たちのやりたいサッカーというのは崩さずに最後まで続けて、『帝京を貫けた』のかなと思います」と胸を張る。

 今大会は大分鶴崎高(大分)との初戦を7-2で制すと、2回戦で昨年度3冠の青森山田高(青森)からインパクトのある勝利。その後も、伝統校の丸岡高(福井)や、近年台頭してきている岡山学芸館高(岡山)、昌平高(埼玉)を破った。帝京は戦後最多タイの選手権優勝6回、インターハイ優勝3回の特別な歴史を持つチーム。その名門が全国大会では07年以来となる白星から連勝を続け、19年ぶりに全国決勝の舞台に立った。

 かつての帝京は74、77、79、83、84、91年度の選手権決勝、76、82年度のインターハイ決勝で通算6勝2分、94年のインターハイ決勝で敗れるまで決勝での“不敗伝説”も続けていたチームだ。決勝戦で圧倒的な強さを見せるなど一時代を築いていた名門校が、新たなスタイルであるテクニックとポジショニングの質の高さ、距離感の良さを活かした崩し、また粘り強さを発揮しながら連勝。その復活劇は開催地・徳島の観衆からも注目を集めていた。

 この日は、かつてのような決勝で勝ち切る強さを表現するには至らなかった。それでも、見る人々を感動させるような好勝負を演じての準優勝。伊藤は「こうやって試合があるたびにたくさんメッセージをくれたりとか、自分たちの知らない人たちも、現地の徳島の人もたくさん見に来てくれて、その中でもプレーするというのは本当に幸せなことだと思いますし、その中で好きに、楽しくやらせてもらえたので本当に最高の大会でした」と振り返る。

 ただし、目指していたのは通算10度目の全国制覇。ユニフォームの胸の星を9から10個にすることだった。喜ぶ勝者の姿を凝視していた主将はその理由について、「正直、1ミリも見たくもなかったですけれども、見ることが一番悔しいことだと思って、(また)負けたんで相手のことを讃えなきゃと思ってずっと見ていました」と明かす。

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