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執念の守備と攻撃でもハードワーク。帝京を支えたメンバー外の選手への思い

ゲキサカ / 2022年8月23日 22時54分

帝京高は仲間のために走り、身体を張った。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[7.30 インターハイ決勝 帝京高 0-1 前橋育英高 鳴門大塚]

 後半アディショナルタイムの失点によって敗れたが、帝京高(東京1)は19年ぶりの決勝で素晴らしい戦いを見せた。この日は、注目エースFW齊藤慈斗(3年)と司令塔のMF押川優希(3年)がともに怪我のために先発を外れ、先発MF藤崎巧士(3年)の負傷によって前半21分に押川を緊急投入するアクシデントも。加えて、帝京は対戦した前橋育英高(群馬)よりも1試合多い今大会6試合目だった。

 試合を通してより多くボールを保持していたのも、チャンスを作っていたのも前橋育英の方だった。その攻撃は日比威監督も「これが全国大会で優勝するチームの技術」と賞賛するほど。相手の1タッチでパスを差し込む技術と判断力に押し込まれ、決定機も4度5度と作られた。

 だが、疲労感もある中で帝京は良く走り、身体を張った。PAへパスを通されても、2人、3人が素早く戻ってシュートコースを消す。GK川瀬隼慎(2年)は準決勝に続いて決定的なシュートをストップした。また、前半にはCKからの相手シュートが2度ゴールを捉えたが、いずれもDFがゴールライン上でクリア。後半には相手のカットインシュートを逆サイドの左SB島貫琢土(3年)が身体を投げ出してブロックしたほか、怪我を抱える押川が鋭いアプローチを連発していた。

 非常に気持ちの込もった、執念とも言える守りは快進撃の要因の一つ。DFリーダーのCB大田知輝(3年)は「まずは色々な応援してくれる方とか、サッカー部でメンバーに入れなかった人への思いが一番強くて、ここに来れていない人の分も結果で見せていて、本当に良い思いをさせてあげたいなとか、悔しい思いは自分たちが引き取って責任持ってプレーしたいと思っていた」とその理由について説明する。

 仲間への思いに関しては、FW伊藤聡太主将(3年)も準決勝後に「(東京に残っているメンバー外の選手たちは)下級生で出ていたりとか、もう少しで入れそうだったり、色々な気持ちがあると思いますし、その気持ちを背負って戦わないといけない」と語っていた。

 仲間のために、という責任感は攻撃面でも表現されていた。前半35+5分、帝京は相手セットプレーから自陣PA付近でボールを拾った伊藤が一気に前進する。この段階で3対2の状況。前橋育英の選手たちも必死に戻るが、帝京は伊藤と大田、MF山下凜(3年)に加え、FW橋本マリーク識史(3年)も後方から60~70mの距離をスプリントした。

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