神戸アジア8強の立役者は元J3戦士…「僕の良さは人の何倍も走ること」ACLデビュー飯野七聖が獅子奮迅の1ゴール“2起点”
ゲキサカ / 2022年8月19日 1時28分
[8.18 ACL決勝T1回戦 神戸3-2横浜FM 埼玉]
J1リーグで首位を走る横浜F・マリノスとの日本勢対決を3-2で制し、ヴィッセル神戸が2年ぶりにアジア8強のステージにたどり着いた。快挙の立役者となったのは、この夏にスター軍団の門を叩いたMF飯野七聖。前半早々の先制ゴールを皮切りに全3ゴールに絡む獅子奮迅の活躍を見せた25歳が鮮やかなACLデビューを飾った。
まずは前半7分、左サイドでMF汰木康也がボールを奪うと、右サイドハーフの飯野は相手守備陣に先駆けてスプリントを始めた。自慢の脚力でDF永戸勝也を振り切り、ゴール前まで侵入すると、最後は「普段はああいうタイプじゃないけど今日は冷静だった」とチップキックでフィニッシュ。自身も驚く見事なシュートで大事な先制点を奪った。
続いて1-1とされて迎えた前半31分には、献身的なプレスバックで魅せた。ボールを保持する永戸に後方から近寄ってボールをつつくと、これを受けたMF山口蛍の縦パスからカウンターがスタート。飯野と入れ替わるように右サイドを突破したFW大迫勇也のクロスから、MF佐々木大樹が相手のハンドを誘うシュートを放った。
「一人一人が2度追いをしないといけないし、僕の良さは前に前にというプレーももちろんだけど、チームのために90分走り切って、人の何倍も走ること。その特長をこのチームのためにどう活かせるかというと、ああいうシーンもサボらず戻るとか、そういう細かいことが大事だと思う」。そんな自負が実ったワンプレーが起点となり、獲得したPKで勝ち越しに成功した。
さらに圧巻だったのは、チーム全体に疲れが見えていた後半35分のプレーだった。左サイドを突破した汰木のクロスボールはファーサイドに流れてしまったが、そこで飯野は猛烈なスプリントでボールにアプローチ。やや緩く追っていた永戸と入れ替わる形でボールを取り切り、MF小田裕太郎の3点目につなげた。
「本来であればブロックを引いて守りに入っても良い時間だったけど、相手がマリノスというのもあって力のあるチームだとすごくわかっていたので、1点のリードじゃ不安だった。このままじゃ終わらないという気持ちもあったので、前に前にという気持ちでプレスに行った」。恵まれたスプリント能力と、貫いた献身性。そうして奪った1点が決定打となり、チームは準々決勝進出を決めた。
この夏にサガン鳥栖からの完全移籍を決断し、神戸加入後わずか1か月での大仕事。左サイドにDF酒井高徳を擁するスター軍団において、右に飯野が加わったことが、サイド攻撃に大きな迫力をもたらしている。飯野自身も「加入するまでは左に偏った攻撃がすごく多いというのもあって神戸が声をかけてくれたのもあるし、このチームで求められているのはそれ一つだと思う。それをブレずにやっている」と役割には迷いがない。
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