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『SEVENDAYS FOOTBALLDAY』:右の翼(清水エスパルスユース/静岡ユース・渡邊啓佳)

ゲキサカ / 2022年8月28日 9時36分

「いつもチームメイトとして助け合っている仲でしたけど、向こうは代表を背負っていますし、こっちも静岡の代表としてやっているので、そこはライバルというふうに捉えて、全力を出し合うことは意識していました」と渡邊。君が代の斉唱を経て、いつもの“チームメイト”はそれぞれ違うユニフォームを纏って、自分の持ち場で向かい合う。

 言うまでもなく、前半からどちらかが深い位置まで侵入した時には、必然的にマッチアップを繰り広げることに。「上がってくるタイミングも凄く良くて、そこは自分も凄く苦しめられましたし、やっぱり1対1は向こうも強かったので、さすがだなと思いました」。背負うものがある2人。静岡ユースの14番と、U-18日本代表の3番が何度も身体をぶつけ合う。

 前半に一度、渡邊が石川の前に上手く身体をねじ込み、縦に力強くドリブルで運んだシーンがあった。「自分の方がスピードはあると思っているので、あそこはまず前に入って、身体を入れさせないようにしようかなと。アレはメチャメチャ気持ち良かったです」。浮かべた笑顔に、隠し切れないライバル心が滲んだ。



 静岡ユースの右サイドバックには、自身の成長を測る意味でも、もう1人絶対に抑えたい選手がいた。U-18日本代表の左サイドハーフを任された名願斗哉(履正社高)。プロからも注目を集めるドリブラーには、「プレミアで履正社とやった時にマッチアップしているんですけど、その時に結構やられてしまって……」と振り返るように、苦い記憶を植え付けられていたからだ。

「飛び込んだらスッとかわされてしまうというのは、前の対戦からわかっていたので、しっかり粘り強く付いていくことは意識してやっていました」。ドリブル突破に自信を持つ相手に、得意なプレーを簡単には出させない。それでも意地を見せた名願に先制ゴールこそ奪われたが、渡邊も後半35分に交代でピッチアウトするまで、文字通り粘り強く対応。チームは後半のラストプレーで同点に追い付くと、PK戦を見事に制してみせる。静岡ユースのプライドは、勝利という形でしっかりと輝いた。

 3月のヤングサッカーフェスティバルに続くこのチームでの活動は、国体が中止となった彼らの世代にとっては貴重な機会。2年遅れの“県選抜”に、渡邊も小さくない刺激を得ているようだ。

「お互いプレミアで対戦している選手もいる中で、こうやって集まれたことで他のチームの選手から新しい気付きや刺激ももらえますし、ちょっと違和感はあるんですけど(笑)、同じチームになると頼もしいなというのは感じています。それこそ(寺裏)剣とか高橋(隆大)のドリブルが凄いのは前から知っていたんですけど、一緒にやってみてより凄いなと感じました」。

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