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[プレミアリーグEAST]「自分たちは強くない」。無敗の首位・川崎F U-18に土を付けたのは、この夏で足元を見つめ直した流通経済大柏!

ゲキサカ / 2022年9月5日 19時27分

「正直シーズンが始まる前までは自分たちの前評判が本当に良くて、『今年の流経は強い』と。練習試合も負けなしで、流大にも勝って、本当に強いみたいになっていたんですけどね」と萩原が語った通り、シーズン前の流経大柏はプレミアリーグでも優勝候補と目されていた。だが、前期はなかなか白星に恵まれなかった上に、インターハイでも千葉県予選準決勝で日体大柏高相手に、0-3という屈辱的なスコアで敗退を突き付けられた。

「たぶん開幕当初は彼らも自信があったと思うんですよ。それがどんどん折られてきて、負けから学べないことがずっと続いていたんですよね。『たまたまでしょ』と言ったり、下を向いてしまったりと、やっぱり精神的な幼さからそれを受け入れられないと。心を閉ざすような感じだったんです」とその頃を振り返る榎本雅大監督が採ったスタンスは、『待つ』ことだったという。「この夏は選手たちが気付いて、答えを出してくるのを少し待とうと思っていたので、トレーニングもコーチに任せて、一歩下がったところから見ていたんです」。

 キャプテンの大川も悩んでいた。「夏は凄く苦しんで、サッカーの部分もそうですけど、メンタル的な部分で言い合いがあったりして、チームがちょっと崩れかかっていたので、『この調子で行ったらちょっと危ないな』と思っていたんです」。チームとしての結果が出ないことで、トレーニングへ取り組む姿勢も選手によってバラつきがあったという。

 そんな中で選手たちは、改めて現状の自分たちを客観的に見つめる必要性に迫られた。持っていたはずの自信と、何も成し遂げていない現実のギャップを認め、もう一度ひたむきにサッカーへ向き合うことを確認すると、少しずつではあるが全体の意識にも変化が訪れ始めている。

「夏前ぐらいまではやる選手とやらない選手が分かれていたんですけど、そこから各々が危機感を持ってやることで、上に行きたい選手はどんどん突き上げていけばいいですし、やれていなかった選手たちはもう這いつくばってでも上に付いていかないとダメだと気付いたので、そういうところをチーム全員で意識できているのかなと思います」と大川。ここに来て、ようやく流経らしい強度のトレーニングができてきているようだ。

 信頼する斉藤礼音コーチに任せるところは任せ、全体像を俯瞰して見ているという指揮官は、自身の変化も感じている。「答えを与えないで様子を見て、どういうふうに成長するのかなと。選手も『あれ?教えてくれないの?』『やってくれないの?』ということで、自分たちでやるしかなくなる。そういうところが待つ楽しみかなって気付かされましたね。だから、最近は応援団みたいになっていますよ。『頑張れ!』『いいぞ!』って(笑)。前だったら『おい!』みたいに思っていたところも、『ん……、まあ、そういうこともあるよな』『頑張った結果だよな』って(笑)。そういうところで『待つ』ことの重要さを凄く今年は教わっていますね」。

 大川はここからのチームの歩みを、ポジティブに予測する。「本当に夏は苦しい想いをしましたけど、それもプラスに捉えています。この夏は自分たちが強くなるための苦しい時期だったと感じているので、残された時間でも夏にやってきたことを思い切ってやれば、結果は出てくるかなと思います」。

 苦しさから逃げずに、選手もスタッフもまずは自分たちと向き合ってきたこの夏の大事な時間が、導きつつある確かな結果。悔しさから学んできた彼らの逆襲は、ここから始まる。どの対戦相手にとっても厄介な流経大柏が、いよいよ帰ってくる。



(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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