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[MOM4004]東福岡MF保科鉄(2年)_3連勝を引き寄せた「2年生ルーキーの衝撃」。プレミアデビュー戦に臨んだ“転校生”が先制ゴールをゲット!

ゲキサカ / 2022年9月18日 17時3分



 一瞬何が起こったのかよくわからないような表情を浮かべた保科は、すぐさま満面の笑顔で下川の元へと走り出す。次々に駆け寄ってくるチームメイト。意外な伏兵の先制弾に、チームを率いる森重潤也監督も「切り替えのところで、いち早く流れを感じてゴール前に行けたので、そこをチームとしてうまく使えた所もあったなと思います」と評価を口に。“2年生ルーキー”が大舞台で輝いた。

 後半はビハインドを負ったホームチームが一層攻勢を強める中で、「前半と同様にギャップの選手に当てられないことを意識しつつ、ボールを取った後のカウンターを狙ってやっていました」という保科は、足が攣って後半40分に交代するまで全力プレーを継続。チームも2-1で逃げ切って3連勝を達成し、その一翼を担った42番は多くの仲間に祝福されていた。

 もともとは福岡出身。地元クラブのCAグランロッサから東京の国士舘高へと進学した保科は、入学直後からトップチームでプレーしていたものの、腰のケガで選手権予選は欠場。新チームになって再びレギュラー争いに身を投じていたが、東京を取り巻く社会情勢による環境に息苦しさを感じるようになる。

「東京ではコロナ禍の影響でサッカーができない時期が長くあって、その中で『もっとたくさんサッカーしたいな』と思ったんです」。国士舘での日々にも慣れ始め、仲間との絆も深まってきた中で、熟考に熟考を重ねた保科は福岡に戻って、県内屈指の強豪校として知られる東福岡へと身を投じることを決意する。

「いろいろと東京にいる人にも迷惑を掛けることにもなりますし、いろいろな面でいろいろな人にこの決断を支えてもらいました、これだけわがままなことを言ったのに、今はここでプレーをさせてもらっているので、本当に感謝しかないです」。決して簡単な決断ではなかったが、自分のために動いてくれる周囲の人の温かさに触れたことが、保科の人間性に小さくない影響を与えたことは、あえて言うまでもないだろう。

 森重監督は「球際の強さもありますし、逃げずに守備ができるので、そういうところは彼の特徴かなと思います」と話しているが、自身でも持ち味は守備面だと認識しているようだ。

「中学生の頃のチームでは凄く守備のことを言われていたので、『守備だけは絶対に誰にも負けないように頑張ろう』と思っています。攻撃力や足元の技術は東福岡の部員の中でも下手な方なので、そこはみんなに教えてもらいながら、守備の面でチームに貢献したいです」。そんな“守備職人”がプレミアデビュー戦でゴールを決めてしまうのだから、その陰にサッカーの神様の存在を感じずにはいられない。

 この日は目に見える結果を出すことに成功したが、これからも活躍し続けることが、自分をさまざまな形で応援してくれている方々への恩返しになることも、保科はとっくにわかっている。「もちろんプレミアも優勝を目指してやりたいですし、選手権でも自分もチームの力になれるように頑張りながら、日本一を目指してやっていきたいと思います」。

 まさに彗星のように現れた、東福岡の2年生ルーキー。保科が扉を叩いた高校サッカー“第2章”は、最高の形でその幕が上がっている。



(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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