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[NB CHAMPIONSHIP U-16]矢板中央が初優勝!団結力と伝統の堅守、練習重ねたテクニックも勝因に

ゲキサカ / 2022年9月19日 21時12分

 一方でやはり光ったのは堅守。MF齋藤煌耀のシュートブロックや永井、川隅の身体を張ったクリアなど、最後の局面で“矢板中央”らしさを発揮していた。攻撃陣のタレントが多い一方、トップチーム帯同のCB清水陽やGK3人不在の守備面は危惧されていたが、集中した守りによって前半を1-0で折り返して見せる。

 矢板中央はこれまでの試合同様、後半開始から11人をチェンジ。流経大柏は準々決勝、準決勝でファインゴールを決めている注目FW山野春太を投入した。後半開始直後、流経大柏にチャンス。左CKのこぼれを拾った奈須が個人技からシュートへ持ち込むも、矢板中央GK鈴木晴登がストップする。

 メンバーが入れ替わっても矢板中央の守りは強固。クロスやFKを蹴り込むだけでは得点には結びつかない。後半、グラウンダーで攻める意識を高めた流経大柏は、CB佐藤夢真がドリブルで大きく持ち運ぶなど、DF、ボランチのところでプレスを打開して前進。だが、朝方の大雨の影響で水を多く含んだピッチではパスが失速し、MF外山瑛人やCB佐藤快風らが狙いを持って守る矢板中央をなかなか攻略することができない。

 流経大柏の榎本貴士コーチは「引かれた相手にどう動かして入っていくかは課題」。リードされていることもあってか、慌ててしまう部分も散見され、山野までボールが届かない。19分、堀川の右クロスのこぼれに交代出場FW中野万輝斗が反応。決定的な形で右足を振るも、再びGK鈴木のビッグセーブに阻まれ、セカンドボールもMF井内哲心にかき出されてしまう。

 矢板中央は、後半から出場のFW渡部嶺斗とFW加藤直輝の2トップも力強い。彼らを中心に高い位置で起点を作ることで、自分たちのゴールから相手を遠ざけた。27分には俊足MF石塚遥真がカットインから右足シュート。こぼれ球を渡部が押し込みに行くが、これはポストを叩いた。それでも、最後まで1点リードを守り抜き、1-0で勝利。“全国大会級”のU-16フェスティバルで頂点に立った。

 この日、所用で栃木へ戻っていた矢板中央の金子コーチは、「『テクニックを身につけて駆け引きを覚える。そうする事で、守備でプレッシャーを与えるチームから攻撃でプレッシャーを与えるチームに成長できる』とジュニアユースの指導者の方々から学びました。ジュニアユースの指導者の方々に優勝の喜びと感謝を伝えたいです」とコメントした。興國、帝京長岡、流経大柏を無得点に封じた堅守と団結力。まだまだ十分ではないものの、中学年代の指導者の影響を受けてテクニック強化に力を入れて来たことも勝因となった。

 この日、ベンチ入りした白石康之顧問は「攻撃も、守備もみんなで良く戦った」とコメント。選手たちは歓喜を爆発させた後、その白石顧問の携帯電話を通して、担当の金子コーチから「過信せずに磨いて行け」とメッセージを受けていた。

 川隅は「一人ひとりがこの団結力、人のためにということを忘れずに、2年後、みんなで団結力のあるチームにしていきたい」と語り、田中は「2年後も(全国大会で)優勝したい」と誓った。U-16で一つ大きな結果を残したが、勝負はこれから。高橋健二監督らコーチングスタッフの指導の下、地元・栃木に残っていた同級生、また先輩や来年以降加入してくる後輩たちとともに努力を続けて次は、公式戦で歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)

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