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17年ぶりの全国は新チームの大きなモチベーションに。東京4冠を目指す成立学園は上手くて、元気で、強い集団へ

ゲキサカ / 2023年4月18日 18時28分

 すると、乾坤一擲のアタックは後半30分。相手のFKからクリアボールを横地が左へ流すと、一気に高速カウンター発動。パスを受けたMF佐藤蓮(3年)は自陣から左サイドをグングン加速してマーカーをぶっちぎり、飛び出したGKの鼻先を軽く浮かして、ボールをゴールネットへ滑り込ませる。

 結果的にはこれが決勝点。「守備も全員で声を出して、1本カウンターで点が獲れたので、苦しいゲームでしたけど勝てて良かったです」(外山)。執念のウノゼロ勝利で厳しい初戦を勝ち切った試合後の成立学園には、ピッチでも、応援団が陣取るスタンドでも、至るところで歓喜の笑顔が咲いていた。

 昨年度のチームは関東大会予選で幸先良く優勝。インターハイ予選こそ準々決勝で東海大高輪台高にPK戦で敗れたものの、リベンジを期して臨んだ選手権予選は、準々決勝以降はいずれも1点差の勝負を力強く引き寄せ、17年ぶりの東京制覇を勝ち獲った。全国の舞台でも、国立競技場で行われた開幕戦で津工高(三重)に3-2で競り勝ち、こちらは19年ぶりの全国勝利をゲット。2回戦では日本文理高(新潟)に後半アディショナルタイムの失点で惜敗したものの、貫いてきたパスサッカーは周囲の評価も高く、改めて成立学園の名をサッカーファンに知らしめた。

「選手権に出たことで、学校の皆さんもより『サッカー部頑張れよ』といった感じで見てくれるようになったので、そこは本当にやりがいがありますし、そういう意味では彼らもやる気になるんじゃないかなと思います」とは山本監督。また、横地は「『今年も選手権を獲りに行こう』という気持ちはサッカー部全体で大きくなって、セカンドチームもサードチームも、全カテゴリーの選手が上に上がりたいという気持ちがあるので、競争心があるチーム作りができているのかなと思います」と選手たちの士気の向上を指摘。全国大会の経験は今年の選手たちにも、間違いなくポジティブな効果をもたらしている。

 この日、特に印象的だったのはウォーミングアップの元気さ。「今年は結構アップからも声が出て、雰囲気作りもできるので、そういうところからみんなでやっていけるようなチームです」と外山が話せば、「最初のアップの時からみんなで声を出して、あそこで相手を圧倒して、ビビらせてやろうというスタンスでやっているので、そこが今年の持ち味ですね。自分たちも上手いとは思っていないので、そういうところで相手を上回ろうという気持ちはあります」とは横地。グループ全体が持っているエネルギーも、今年のチームの大きな武器だ。

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