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名将就任から6年目。自分たちで感じること、公式戦で勝つことを求めてきた霞ヶ浦が初の茨城制覇

ゲキサカ / 2023年5月14日 23時16分

 よりチャンスを作っていた霞ヶ浦が後半立ち上がりに先制点を奪う。6分、MF青野嘉寿紀(2年)が右サイドから蹴り込んだ左足CKを、中央のFW吉沢友慶(2年)がヘディングシュート。枠へ飛ばすことを意識した一撃がGKの頭上を破ってゴールネットに吸い込まれた。

 水戸啓明は俊足FW綿引廉(3年)を活用したオープン攻撃も交えて反撃。13分には速攻から片岡がシュートへ持ち込むも、霞ヶ浦はコースを塞いでブロックする。逆に21分、霞ヶ浦は右サイドでロングスロワーの谷本がショートのスローインを選択。ボールを受けた青野のスルーパスから谷本がクロスを上げると、吉沢が再び頭で決めて2-0と突き放した。

 さらに23分、GK根本将翼(3年)のロングキックを吉沢が落とし、久保木が独走。最後は右足シュートを決めて3点差とした。水戸啓明はポゼッションしながら押し込み、まず1点を奪い返そうとする。だが、霞ヶ浦は的確なカバーリングも見せていたCB深谷を中心に、右SB宮坂翼(3年)、CB須崎佑星(2年)、左SB柴田瑞基(3年)の4バックがシュートを打たせない。

 逆に本来レギュラーの高速ドリブラー、交代出場FW安部友兜(3年)の仕掛けなどから4点目のチャンスを作り出す。終盤は守りに綻びが生じかけたものの、GK根本が1対1をストップ。山下総監督も称賛する全6試合(地区予選1試合を含む)無失点で頂点に立った。

 山下総監督は霞ヶ浦からサッカー部強化の打診を受けた際、「指導者を育てないと、学校が続かない、サッカー部が続かないから指導者を育てるんだったら行きます」と茨城へ。高校男女サッカー部にそれぞれ監督を置き、自らは総監督の立場で強化に携わった。附属中学校の本格強化もスタート。高校女子は、昨年の全日本高校女子選手権大会で一足先に全国大会初出場を果たしている。

 高校男子の桑原鉄平監督は練習中もメモをつけて山下総監督の言葉から学んでいるという。「学ぶことしかないですね。練習中もそうですし、ベンチやスタッフルームでボソッという一言も学びに溢れていて。僕も一緒に勉強している最中」。すぐに結果が出た訳では無いが、茨城県内中心の選手とスタッフが一体となった積み重ね。卒業生たちの悔しい敗戦もエネルギーに、公式戦で勝つことを本気で目指してきた。

 山下総監督は「勝負は勝たなければ意味ないだろうって。公式戦は楽しんじゃったら負けるぞと。高校サッカーはどこもそうだけど、勝って行って強くなる。自分たちで段々成長していくから。いくらやっても自分たちが感じるものがないと上手くならないと思うし、強くならないと思う」。それに対して久保木は、「『やるからには勝てるようにやろう』と言われている。そのための(守備などの)練習とかセットプレーも一つ一つデザインしてきたので繋がった」と頷いた。

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