手堅いゲーム運びは「試合から学ぶ」経験を積み重ねてきた“のびしろ”の証。前橋育英は健大高崎を撃破して県3連覇達成!:群馬
ゲキサカ / 2023年11月13日 21時21分
追い付きたい健大高崎は、後半3分にビッグチャンス。MF湯浅惠斗(2年)の右ロングスローから、渡辺の残したボールを松本が好クロス。後半開始から投入されたFW中澤慶次(3年)がわずかに枠の上へ外したヘディングは、結果的にオフサイドの判定にはなったが、サイドアタックからあわやというシーンを創出する。
19分も健大高崎。年代別日本代表も経験しているレフティのDF新井夢功(2年)が蹴り込んだ右CKから、ペナルティエリア内は大混戦に。最後は松本のパスに中澤が合わせたヘディングもヒットはしなかったものの、プリンスリーグで磨いてきた攻守にパワフルな推進力を、この決勝の舞台でも恐れることなく披露する。
苦しい流れの中で輝いたのは「サイドからどんどん仕掛けていくようにと言われてしました」という11番のドリブラー。25分。右サイドでボールを受けた斎藤は一気にギアを上げ、深い位置から中央へ侵入。対応したマーカーにエリア内で倒されると、笛を吹いた主審はペナルティスポットを指し示す。「誰にも蹴らせたくはなかったですね。自分で獲ったのに、あそこで蹴らなきゃ男じゃないとは思いました」という斎藤は、自ら手にしたPKを、冷静に右スミへグサリ。「PKが獲れたのはものすごく大きくて、アレは彼の持ち味だったので、よくやってくれましたね」と山田監督も称賛する貴重な2点目。両者の点差が開く。
悪くない流れの中で2点のアドバンテージを負った健大高崎は、30分に再び湯浅の右ロングスローからエリア内に混戦を生み出すも、中澤のシュートはMF篠崎遥斗(3年)が、さらに放った渡辺のシュートはDF青木蓮人(2年)が身体を投げ出してブロック。どうしても1点を奪うまでには至らない。
前橋育英の守備は堅かった。普段はサイドバック起用の多いDF清水大幹(3年)とDF山田佳(2年)のセンターバックコンビは高い集中力で中央を締め、不動のドイスボランチを組むMF石井陽(2年)と篠崎も時間を追うごとにセカンドボールを支配し、相手に二次攻撃を許さず。右に青木、左に斉藤を配した両サイドバックは対峙するアタッカーの突破を、ある程度の余力を持ってきっちり封じ込めていく。
「後半も陽太が1本決めてくれて、守備陣はゼロで終えることができて、結果的には攻守ともに良いプレーができたかなと思います」(雨野)。健大高崎の奮戦及ばず。終わってみれば前橋育英が、勝負の勘所をきっちり押さえた手堅いゲーム運びで2-0と勝ち切って、3年連続となる全国切符を手繰り寄せる結果となった。
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