「名護のために」「何が何でも勝ちたかった」…大サプライズ起こした名護、那覇西をPK戦で下して全国初出場!!:沖縄
ゲキサカ / 2023年11月16日 11時25分
[11.11 選手権沖縄県予選決勝 名護高 0-0(PK4-3) 那覇西高 黄金森公園陸上競技場]
「名護のために」。その思いを共有させた彼らは、根底に潜むハングリー精神を大舞台で引き出し、大会最多17度の優勝を誇る那覇西高を破って初優勝という大サプライズを起こした。
第102回全国高校サッカー選手権の沖縄県予選決勝が開催された11日は小雨模様。その光景に「自分たちにとってはチャンスだと思った」と、名護高の比嘉洋介監督は那覇西戦に向けたプランニングを遂行する意志を固めた。
比嘉監督はJFA公認A級ジェネラルコーチライセンスを持つ石川広武前監督の右腕として5年前から母校のコーチとなり、今年から指揮官に就任。両雄が中心となって名護を一から鍛えあげ、石川監督が求むポゼッションサッカーは磨かれていった。チームは主に地元選手で構成されており、幼少の頃からサッカー熱の高い地域で鍛錬してきた。2003年のU-15全国フットサル大会で比嘉祐介(元横浜FMなど)を擁し準優勝に輝いたことのある名護市の大宮中は、3年前の県総体で準優勝しており、その後九州大会の舞台も踏んだ選手たちは今、名護高の主力メンバーとなっている。
その一人がワイドストライカーのFW比嘉秀彩。50m6秒台の脚力を生かしチーム内でカウンターの起点となる彼は、誰よりも「打倒・那覇西」を誓っていたと話す。「大宮中の優勝を阻んだのが小禄中で、そこから那覇西に進んだ選手も多くいる。高校に上がってからも那覇西は自分たちにとって大きな壁。その相手とこの決勝で最後の戦いができる。何が何でも勝ちたかった」と、執念を燃やしていた。
その選手たちの思いを汲んで決勝に臨んだ比嘉監督は、このときのためのプランニングを実行に移す。
「私が4月に就任してから選手たちに伝えたことは、『ひとつのやり方だけが正解ではない』ということ。他校から見ても『名護=ポゼッションサッカー』というイメージはここ数年でついていて、だからこそ相手はポゼッションの対策を練ってくる。それで術中にはまることもあったので、『つなぐだけじゃなく前に蹴っても良いんじゃないか』と」。
ポゼッションサッカーに固執せず複数の戦術を併せ持って、相手に合わせた戦術を選択することで主導権を握る。就任後すぐにアップデートを施した比嘉監督の考えは、今までの名護のイメージを覆す「リトリート」で今大会31得点の那覇西高の攻撃を消す作戦に打って出た。
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